遺言状はいつ頃に書いたらいいのでしょうか?遺言状を書くべき年齢と作成の準備、遺言状の更新について教えてください。

☘ 書く前の準備

⓵ 相続人を確認し相続人関係図(家系図)を作りましょう。相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×相続人数)が分かります。相続人の住まいの状況によっては相続税の特例が使えます。

② 財産のリストを作ります。相続可能な財産を調査し、土地、建物、預金等に分け、財産を金銭に換算し作成します。  

 

□ 事業を後継者に継がせたいときは早めに遺言状を書きましょう。  

□ 不確定要素が多いため遺産分割の方針を決められないときは、「遺産分割の指定の委託」を行います。 

□ 家を建て替えた場合は遺言状は書き直すことをおすすめします。

□ 相続させる相手が、万が一亡くなってしまった場合は、遺言状は作り直すことをおすすめします。 

□ 遺言状は書いてから10年経ったら見直すことをおすすめします。 

□ 遺言状は、認知症になったら、書いても効力がありません。 

 

☘ 遺言状は遺産の分け方だけではありません。感謝の気持ちを綴り、無形の財産を残すことができます。

行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 遺言状はいつ書くか

 

 遺言状は満15歳以上であればいつでも書けます。保険と同じで、遅すぎたということはあっても、早すぎるといううことはありません。

 あまり年齢が行ってから遺言を書くと、遺言能力がなかったのではと疑いを持たれるおそれもあります。認知症になってしまったら遺言書を書いても効力が認められなくなってしまいます。親が少しボケてきたと感じたら、遺言状の作成を促すことも必要かもしれません。

 

 遺言状は遺言をする時点で間違いなく自分の意思を表示できれば有効です。少しボケてきたと感じても、 医師の診断を受けて診断書をもらい、公正証書遺言を作成すれば大丈夫です。

 

 シンガーソングライターで小説家のさだまさしさんは、「小説もエッセーも締め切りがあるから書けるんです」と言っています。遺言も同じです。65歳は遺言書の締め切りと考え、遺言書を書きましょう。

 特に事業を後継者に継がせたいときは遺言状は早めに書きましょう。

 

 不確定要素が多いため遺産分割の方針を決められないときは、分割方法を定めることを委託する、「遺産分割の指定の委託」の遺言も一考に値します。

 ただし、その場合は、遺言者の意向を理解し、公平公正に分割方法を指定できる者を受託者とする必要があります。 

 

2. 遺言状を書く前の準備

 

(1) 財産を金銭に換算し財産のリストを作る

 

 まず、財産のリストを作ります。相続可能な財産を調査し、土地、建物、預金等に分け、財産を金銭に換算し作成します。遺言書には相続可能な財産をすべて記載します。 

 

※ 記載がない財産は法定相続人による共有財産となり、分割するには遺言があっても全員で遺産分割協議をすることが必要となります。 

 

注意事 項 財産の記載漏れによる不都合を解消する方法として、遺言に主な相続財産のみを書き、合わせて「本遺言に記載がない一切の財産は誰だれに相続させる」と書いておく方法があります。 

 

(2) 相続人調査

 

 推定相続人の把握です。特に、子がいない場合は、「親」等直系尊属の戸籍謄本を取得し、現在の親族関係を正確に把握します。

 子も直系尊属もいない場合は「兄弟姉妹」等の戸籍謄本を取得し、現在の親族関係を正確に把握します。

 

※ 「親」等や「兄弟姉妹」等の本籍地が分からない場合は、住民票を「本籍地表示あり」で入手し調べることができます。 

 

 3. 遺言を書いたことを相続人にオープンにするかどうか  

 

 自分に不利な遺言をされた相続人は、理由をさがして無効を主張することがあります。そのとき理由として使われるものとして、①「筆跡が違う」(遺言書の偽造・変造)、②方式違反、③認知症で遺言できる状況ではなかった(遺言能力の欠如)、④遺言者に対する詐欺・強要(取消事由)などがあげられます。遺言書を「書いたこと」を相続人にオープンにしておくことは、争族の防止につながります。  

 

 遺言状を書いたことや内容について子どもに話すと家庭内に争いが起こる恐れがあります。事情によっては、妻だけに遺言状を作ったこととそのありかを教えておきましょう。

 

4.  遺言状の更新

 

 遺言を作った後、「家を建て替えた」場合など財産の大きな変化があったら遺言書を書き直します。 

 当事務所では、遺言を作った後に財産の大きな変化があった場合や、相続させる(又は遺贈する)相手が遺言者より先に亡くなった場合、あるいは、推定相続人が変わった場合は遺言書を書き直すことをおすすめしています。

また、財産内容や財産の評価額の変化、あるいは、情況の変化や遺言者自身の心情の変化を考え、10年以上経過したら見直しをおこない、必要な場合は遺言書を書き直すことをおすすめしています。


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