財産を妻に相続させるが、妻の死後は甥に二次相続させる「遺言信託」文例

~子どものいない夫婦で、配偶者に自宅不動産を相続させ、二次相続(配偶者が亡くなったとき)では、配偶者の相続人(兄弟・甥姪等)ではなく、自分の甥に相続させたい場合の遺言~

行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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遺 言 書

   

 

 遺言者〇〇〇〇は以下のとおり信託する。

 

第1条 信託の目的 

 遺言者死亡後も遺言者の妻〇〇〇〇(昭和△△年△月△日生)が自宅に住み続けられるようにするとともに、妻の死亡後は当該不動産を遺言者の甥に承継させることを目的とする。

 

第2条 受託者

 本信託における受託者を遺言者の甥〇〇〇〇(昭和△△年△月△日生)とする。

 

第3条 受益者及び受益権者

 1 本信託における第一次受益権者を妻〇〇〇〇とする。

 2 遺言者の甥〇〇〇〇を、第一次受益権者死亡後残余の信託財産

   の給付を受ける残余財産受益者とする。

  3 残余財産受益者が有する受益権は、第一次受益権者死亡時に存する信

  託財産の給付を受ける権利とする。

 

第4条 信託の期間

  妻〇〇〇〇の死亡まで

 

第5条 信託財産 

 

 1. 遺言者の所有する別紙1記載の土地及び建物 

 2. 遺言者の所有する別紙2記載の預金債権

 

第6条 信託財産の給付方法

 

 1. 受託者は、信託財産の管理を行い、第一次受益権者が信託不動産を生

  涯住居として居住使用できるよう必要な行為を行う。 

 2. 信託不動産にかかる租税公課及び信託不動産を維持するうえで必要な

  補修費用については、第5条第2項の預金から支出するものとする。

 

第7条 管理に必要な事項

 

 1. 信託不動産については、信託を原因とする所有権移転及び信託登記手

  続きをおこなう。

 2. 信託不動産の保存あるいは管理に必要な処分は受託者がこれを行う。

 

第8条 信託終了時の清算受託者及び清算事務

 

 1. 信託終了時の清算受託者として受託者を指定する。

 2. 信託終了清算受託者は、清算事務を行い、必要な登記手続き及び名義

  変更を行う。

 

第9条 信託報酬

 受託者の報酬は無報酬とする。 

 

 令和△△年△△月△△日 

 

                    (遺言者住所) 

  遺言者   〇〇〇〇  印


ポイン トここが遺言(相続)のポイント

□ 「後継ぎ遺贈型(受益者連続型)の遺言信託」は「財産を配偶者に相続させるが、配偶者が死亡したら〇〇が受け継ぐこととする」といったように、順次財産を受け継ぐ者を指定する遺言です。

 遺言で「継ぎ遺贈型(受益者連続型)信託」を設定することにより、後継ぎ遺贈と同じ効果が期待できます。

 

□ 後継ぎ遺贈型(受益者連続型)の遺言信託は、受託者の負担も増すことから30年の期間制限が定められています。30年を経過した後は、受益権の新たな承継は一度しか認められません。

 

□ 遺言信託は遺言作成前に受託者と信託内容について話し合い、確認しておくことが必要です。

注意事 項  本文例はあくまでも一例です。遺言者のご希望はもとより、推定相続人や遺贈したい人の状況、相続財産の状況などによって遺言文は違ってきます。

 あなたのご遺族のあいだに相続争いが起きにくい遺言書、ご遺族が相続手続きをしやすい遺言書、あなたの思いを実現する最適な遺言書の作成を当事務所がお手伝いいたします。


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