法務局に保管する自筆証書遺言と公正証書遺言を比べてみる


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埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 公正証書遺言

 

(長所)

① 偽造、変造のおそれや、誰かに強迫されたり詐欺によって作られたのではないか、といった疑いが生じるおそれがない。 

 

➁ 公証役場に20年間保管されるので紛失の危険性がない。

 

③ 遺言検索システムに登録するので、遺言者の死後、相続人は検索要求できる。

 

④ 遺言書の「検認」の必要がない。

 

⑤ 公証人が作成するので自書する必要がない。

 

(短所) 

⑥ 公証役場手数料等それなりの費用必要。(3万円から10万円程度が多い) 

 

⑦ 証人二人が必要。  

 

2. 法務局の保管制度を使った「自筆証書遺言」

 

① これまでは、自筆証書遺言は紛失や改ざんの恐れがありましたが、法務局で保管してもらうことでそうした恐れがなくなりました。

 また、法務局での本人確認は厳格です。遺言者が自書していることや、遺言作成者本人が法務局に出向き保管を申請することになっていることから、本人の真意が推認されやすいとされます。

 

➁ 保管された遺言書は、遺言者の死亡の日から50年保管されます。遺言者の生死が明らかでない場合は、170年保管されます。

 

③ 公正証書遺言と同じように、遺言者の死後、相続人は検索要求できます(「遺言書保管事実証明書」・「遺言書情報証明書」の交付請求)。

 

 保管申請時に申出をすれば、遺言者の死亡後、遺言者の指定する者に、法務局から遺言を保管している旨の連絡があります。 

 

④ 自筆証書遺言の欠点だった遺言書の「検認」も、法務局の保管制度を使うことによって必要なくなりました。

 

⑤ これまでは、自筆証書遺言は全てを自分で書かなければなりませんでしたが、民法改正により、本文を自筆で書けば、財産目録はパソコンで作っても、不動産の登記事項証明書のコピーの添付でも可となりました。 

 

⑥ 公証役場手数料は不要、保管制の申請手数料は3,900円です。

 

⑦ 法務局の自筆証書遺言保管制度の申請に証人は必要ありません。

 

3. 法務局の保管制度を使って「自筆証書遺言」を作るときの注意

 

 公正証書遺言は無効になることはほとんどありませんが、自筆証書遺言は、公正証書遺言に比べて、無効になることが多々あると言われています。

 ところで、法務局の自筆証書遺言保管制度での法務局のチェックは、自署・押印・署名など形式面、外のチェックのみで、遺言としての有効性が保証されるものではありません。 

 したがって、法務局の保管制度を使った「自筆証書遺言」を作る場合は、遺言書作成を専門とする行政書士等に、遺言書の内容について法的効力の有無等のチエックや指導を受け作成することが必要です。 

 なお、納得できるような理由の説明もなく、専ら公正証書遺言の作成をすすめてくる専門家は指導に不安があり、避けた方が無難です。

 

3. 長所、短所比較表

   自筆証書遺言(法務局保管制度を利用)  公正証書遺言
保管申請手数料(3,900円) 公証役場手数料(3万円~10万円が多い)
証人は不要。 証人が2人必要。

自筆証書遺言は紛失や改ざんの恐れがありましたが、法務局で保管してもらうことでそうした恐れがなくなりました。また、法務局での本人確認は厳格であり、遺言者が自書していることや本人が法務局に出向き保管を申請することになっていることから、本人の真意が推認されやすいとされます。

偽造、変造のおそれや、誰かに強迫されたり詐欺によって作られたのではないか、といった疑いが生じるおそれがない。 
法務局のチェックは、自署・押印・署名など形式面のチェックのみで、遺言としての有効性が保証されない。専門家による内容面のチェックが必要。 解釈について争いが起こりにくい。
遺言書保管事実証明書・遺言書情報証明書により、遺言者の死後、相続人は検索ができる。 遺言検索システムが使え、遺言者の死後、相続人は検索要求できる。
 遺言書保管申請時に申出をすれば、遺言者の死亡後、遺言者の指定する者に、法務局から遺言を保管している旨の連絡がある。  

法務局の保管制度を使えば「検認」は必要なくなりました。

遺言書の「検認」の必要がない。

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