自筆証書遺言の『財産目録』をパソコンにより作成する方法について。

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埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1.  財産目録はパソコン等で作ったものを添付してもよい

 

 民法(相続法)改正前は、自筆証書遺言は全てを自書する必要がありましたが、改正により、令和元年(2019年)1月13日からは、本文だけを自書すれば、財産目録はパソコン等で作ったものを添付してもよいこととなりました。(又は、不動産の登記事項証明書等のコピーの添付)

 ただし、自書(手書き)でない添付文書については、各ページに署名・押印が必要です。(日付・住所は必要なし) 

 

 別紙として作ることができるのは「相続財産目録だけ」。別紙にパソコン等で遺言事項を記載しても無効です。

 

2. 別紙「相続財産目録」記載事項(例)

 

(1)土地

  ➀所在、

  ②地番、

  ③地目、

  ④地積

 

(2)建物

  ➀所在、

  ②家屋番号、

  ③種類、

  ④構造、

  ⑤床面積  

 

3. 別紙として、不動産の登記事項証明書等の写しを添付することができる

 

 別紙として、不動産の登記事項証明書、不動産の固定資産税課税明細書(不動産の表示があるもの))、預貯金通帳(*)、銀行の残高証明書(口座番号が記載されているもの))の写しを添付することができます。

 

* 預貯金通帳のコピーは銀行名、支店名、口座名義、口座番号が記載されていること。

 

4. 別紙は遺言書本文とは別の用紙にする

 

 別紙は遺言書本文とは別の用紙にする必要があります。遺言書本文と同じページに財産目録を印刷することはできません。

 

5. 別紙については各ページに署名と押印が必要 

 

6.  法務局に自筆証書遺言を保管する場合

 

① 用紙はA4で片面のみ使用となります。(縦書きでも横書きでもよい。)

 

➁ 余白を、上5ミリメートル以上、下10ミリメートル以上、左側20ミリメートル以上、右側5ミリメートル以上空ける必要があります。

 

(余白には何も書かないこと)

 

③ 各ページにページ番号を入れます(※余白に書かないこと)。別紙にも本文と連続してページ番号を記載してください。(例:1/4、2/4、3/4、4/4)

 

④ 封入したり、綴じたりしないで(ホッチキス等で止めない)持っていきます。  

民法968条(自筆証書遺言)

1 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。 

2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全文又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。


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