□ 遺産分割の効力については、遺産分割が確定すれば、相続の開始の時開始の時にさかのぼり発生します(民法909条)。したがって、遺産分割の効力の発生日は被相続人の死亡した日になります。
□ 遺産分割が終わってから遺言書が見つかった !!
たとえ一人でも「遺言書のとおりに」といったら、遺産分割協議は無効となります。
相続人全員で確定している遺産分割の内容でいこうと決めれば遺産分割は有効です。
ただし、見つかった遺言に第三者への遺贈があったり、相続人廃除などがあり相続人に増減が生ずる場合は、やり直しが必要です。
□ 遺産分割が終わってから新たな遺産が見つかった
遺産分割が終わってから新たな遺産が見つかっても、既に終わった遺産分割は無効になりません。
新たに見つかった遺産についてのみ遺産分割を行います。
ただし、遺産を隠していたなど既に終わった遺産分割に瑕疵があった場合はやり直しが必要となります。
1. 遺産分割の効力
遺産分割の効力については、遺産分割が確定すれば、相続の開始の時開始の時にさかのぼり発生します(民法909条)。したがって、遺産分割の効力の発生日は被相続人の死亡した日になります。
遺産分割によって不動産の相続の登記などを申請する場合、この登記の原因となる日付も、遺産分割が確定した日ではなく、相続開始の日となります。
ただし、相続開始日から遺産分割が確定するまでの間に、相続財産について利害関係を有し、対抗要件を備えた第三者には、遺産分割の効力を主張することができません。
また、法定相続分による相続登記がされた後に遺産分割協議がされた場合は、移転登記の日付についてはさかのぼることはありません。移転登記の日付は遺産分割協議が成立した日となります。
2. 遺産分割協議のやり直し
遺産分割はいったん成立すれば効力が生じ、無効や取消の原因がない限り、原則としてやり直しをすることはできません。
ただし、相続人全員の合意があれば、遺産分割を解除し、新たに遺産分割協議をやり直すことができます。
3. 遺産分割が終わってから「遺言書」が見つかった
ひとりでも「遺言書のとおりに」といったら、遺産分割協議は無効となります。
相続人全員が、確定している遺産分割の内容でいくと決めた場合は、遺産分割が終わってから遺言書が見つかった場合でも遺産分割は有効です。
ただし、遺言で、新たに第三者への遺贈が判明したり、相続人廃除など相続人に増減が生ずる場合はやり直しが必要となります。
4. 遺産分割が終わってから新たな遺産が見つかった
遺産分割が終わってから新たな遺産が見つかっても、終了した遺産分割は無効とはなりません。新たに見つかった遺産についてのみ、新たに遺産分割協議を行います。
ただし、遺産を隠していたなど、遺産分割に瑕疵がある場合は無効となり、やり直しが必要となります。
5. 遺産分割において決めた義務を履行しない
債務を履行しないなど遺産分割において決めた義務を履行しないときでも、遺産分割自体を解除することはできないとされています。
6. 相続人の地位が否定される可能性のある者の参加した遺産分割
訴訟を提起されるなどして相続人の地位が否定される可能性のある者の参加した遺産分割は、結果的に相続人の地位が否定された場合は無効となり、やり直しが必要となります。
7.. 相続人の地位を取得する可能性のある者の参加しない遺産分割
相続人の地位を取得する可能性のある者の参加しない遺産分割は、相続人の地位が認められた場合は無効となり、やり直しが必要となります。
8. 遺産分割が成立したのち認知が認められた子が参加しなかった遺産分割
遺産分割が成立したのち認知が認められた子が参加しなかった遺産分割は無効とはならず、価格による請求のみにとどまります。
9. 遺産分割が成立したのち離婚の無効が認められた者が参加しなかった遺産分割
遺産分割が成立したのち離婚の無効が認められた者が参加しなかった遺産分割の効力については争いがあります。
10 遺産分割で取得した遺産にキズがあった
分割が終わってから取得した遺産にキズが見つかった場合、他の相続人に、相続運に応じて損害賠償の請求をすることができます。請求できるのは事実を知った時から1年以内です。