行方不明の相続人~行方不明の人がいると遺産分割に支障がでます~

□ 生死不明の不在の状態が7年未満の場合は生きているものとみなされます。行方不明者も法定相続人です。遺産分割協議をするには家庭裁判所に相続財産管理人を選任してもらい、その相続財産管理人の参加を得て行う必要があります。

□ 生死不明の不在の状態が7年以上の場合は、利害関係人から、元の住所地の家庭裁判所に「失踪宣告の審判申し立て」を行うことができます。

 

□ 相続財産管理人選任には、相続財産が少ない場合は、申し立て費用とは別に予納金(相続財産管理人選任等の費用)が数十万円~100万円程度必要です。

 

□ 遺言に行方不明者の取り分を明記し、子がいるときはその子に遺贈するなどしておけば、遺産分割に支障がでるのを防ぐことができます。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 生死不明の不在の状態が7年以上の場合

 

 利害関係人から、元の住所地の家庭裁判所に「失踪宣告の審判申し立て」を行います。不在となった時から7年が経過した時点で死亡したものとみなされます(*1)子どもがいるときは子どもが代襲相続人(*2)として遺産分割協議に加わります。 

 

*1 戦争や船の遭難等の場合は、危難が去った後1年間(危難失踪)とされ、危難が去ったときに死亡したとみなされます。  

(大災害における死亡認定制度)

 大震災等により死亡したことは確実だが遺体が確認されない場合には、警察署長などが死亡地の市区町村に死亡報告を行い、戸籍に死亡の記載を行う制度があります(戸籍法89条 水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。但し、外国又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。)

 

*2 被相続人が亡くなった日よりも、失踪宣告により死亡したと認定された日が後の場合は、代襲相続ではなく、数次相続として処理します。

 

 遺産分割が終わった後で生きていることが判明したときは、失踪宣告は取り消されますが、遺産分割は有効で、請求は財産が残っている範囲でのみできます。

 

 

2. 生死不明の不在の状態が7年未満の場合

 

 普通失踪の状態が7年未満の場合は、生きているものとみなされます。利害関係人は、家庭裁判所に申し出て行方不明者の相続財産管理人を選任してもらい、その参加を得て遺産分割協議をすることができます。

 

※  相続財産が少ない場合は、申し立てには申し立て費用とは別に予納金(相続財産管理人選任等の費用)が数十万円~100万円程度必要です。

 

※ 遺産分割協議を成立させる場合は家庭裁判所の許可が必要です。 

 

※ 相続人が不在者財産管理人を兼ねることはできません。 

 

 

3. 生きているのは確かだが所在地の確認ができない場合

 

 元の住所地の家庭裁判所に「不在者財産管理人を選任」してもらい、その参加を得て遺産分割協議を行うことができます。

 

※  不在者とは従来の住所・居所を去って容易に帰って来る見込みのない者を言います。

 

※ 遺産分割協議を成立させる場合は家庭裁判所の許可が必要です。