契約書の構成
□ 契約書の構成は、一般的に、①表題 ②前文(当事者の表示、契約の主たる目的等) ③本文(契約条項;債権債務の内容)④後文(作成通数の記載等)⑤作成年月日 ⑥当事者の署名捺印(又は記名押印)となっています。
行政書士は街の身近な法律家
埼玉県行政書士会所属
行政書士・渡邉文雄
表題
契約書のタイトルです。「〇〇契約書」など、契約書の内容がひと目でわかるよう、簡潔に表現します。
前文
前文では、①契約当事者の名称(法人の場合、商号のみを記載) ②略称を用いることの記載 ③契約の目的・要旨、を記載するのが一般的です。 なお、契約締結の目的は本文の第1条として記載する場合もあります。また、人によって解釈が異なる恐れのある用語を使わざるを得ないときは、用語の意味を誤認されることが無いよう、定義条項を規定しておくこともあります。
本文
□ 本文には、主要条件と一般条件を記載します。
① 主要条件
主要条件とは、その契約書独自の条件です。
□ 目的物
□ 業務内容
□ 対価
□ 支払い方法
□ その他
■ 物品の売買契約では、納品方法、検査基準・検査方法、検査の結果の取り扱い、検査期間を検査条項として規定します。
■ 物品の売買契約では、クレーム対応について、どのケースのとき誰が対応するか、責任や費用の分担について規定します。
② 一般条件
一般条件とは、どんな種類の契約書でも記載される条件です。 契約内容によって、一般条件の内容が異なる場合があります。
□ ①支払い条件、②契約期間、③契約解除、④期限の利益喪失、⑤不可抗力、⑥秘密保持義務、⑦損害賠償、⑧準拠法、⑨個人情報取り扱い などがあります。
(特約条項について)
法律に定めがある場合に、法律と異なる趣旨の契約条項にしたいときは、特約として契約に盛り込む必要があります。(法律の規定と同じ趣旨の契約条項とするのであれば省略してかまわない)
① 契約の存続期間・履行の期限
調印したとき以外に契約をスタートさせるときは、特約として契約に盛り込む。(継続的商取引、賃貸借)、履行の期限(一回限りの売買)
② 契約解除条項
契約の解除・解約(解除・解約ができる事由。催告を要するかどうか)について、民法に定める事由以外の事由による解除事由を認めたい場合は特約として規定しておく必要があります。
③ 損害賠償(遅延利息、賠償額の予定。金銭貸借では年率、日歩)
④ 保証・連帯保証
⑤ 危険負担(不動産・動産の売買。契約解除、手付返還、代金減額)
⑥ 担保責任(売買契約。期間、責任の内容)
⑦ 租税等諸費用の負担
⑧ 期限の利益喪失条項
期限の利益喪失(金銭貸借、継続的商取引)について、民法に定める事由以外の事由による期限の利益喪失事由を認めたい場合は特約として規定しておく必要があります。
⑨ 裁判管轄(相手方が遠隔地にいる場合)
⑩ 強制執行認諾約款付き公正証書(金銭債務)
■ 不可抗力条項 何をもって不可抗力というか、解釈が異なる恐れがある場合、特約として具体的なものを列挙し規定します。
■ 危険負担 どのような場合に、誰が危険を負担するのかを特約として規定します。
後文
契約が締結された旨、作成した契約書数、契約書を保有する者を記載します。
日付
□ 契約書作成年月日
契約を締結した日を記載します。契約の効力が発生する日となります。なお、遡って契約の効力を発生させたい場合は、有効期間に関する条項を設けます。
署名捺印(又は記名押印)
□ 契約当事者の住所を記載し、署名捺印(又は記名押印)します。
□ 法人の場合、①商号(○○株式会社) ②代表資格(代表取締役社長) ③代表者の氏名 を書き、署名捺印(又は記名押印)します。
□ 代理人によって契約を締結する場合は、①本人の住所及び氏名の記載とともに、②代理人の住所及び肩書を記載し、代理人が署名捺印(又は記名押印)します。
※ 記名押印の場合は、実印を押印し、印鑑証明書添付の「委任状」を用意します。
その他
① 契約書の最後、割印
契約書の最後に余白がある場合は、「「以下余白」と書きます。あるいは、最後の部分に当事者全員で「止め印」を押印します。
② 割印
2通以上作ったときは、重ねて割印します。
関連取り扱い業務
▼ 遺留分侵害額請求通知書(内容証明)(22,000円)
▼ 養育費請求通知書(内容証明)(22,000円)
▼ 契約書等作成(11,000円~)
※ 契約の内容により異なります。代理人として作成できます。
▼ 告発状・告訴状作成(11,000円~)
※ 内容により異なります。
▼ 督促状作成(11,000円~)
※ 内容により異なります。法的主張が相手と全く違うときはお受けできません(金銭的主張の違うときを除く)。