□ 財産分与による不動産の名義変更は、「離婚協議書」を作成後、法務局に「所有権移転登記」の申請をします。申請することができるのは離婚届の提出後です。
□ 離婚届提出前に財産分与の協議が成立していたときには、「離婚届を提出した日」が登記される財産分与の日付(登記原因日)となります。
□ 住宅ローンが残っている場合
銀行は名義変更を期限の利益喪失事由とする約款を定めているのが一般的です(名義変更の時点で残債を一括返済しなければならなくなります)。
このことから、離婚時には「所有権移転請求権保全の仮登記」のみ行い、住宅ローン完済後に所有権移転登記を行うことにするのも検討しましょう。
行政書士は街の身近な法律家
埼玉県行政書士会所属
行政書士渡辺事務所
行政書士・渡邉文雄
不動産を現物で分与してもらうことになったら、「登記済権利証」(所有権の登記済証)または、登記識別情報通知(パスワード)を確実に受け取り、所有権移転登記を確実に済ませましょう。
財産分与による不動産の名義変更(登記)の仕方~夫名義の土地・建物を妻名義に変える(妻が申請する場合)~
手順 1. 登記に必要な書類を収集します
① 不動産の「登記済権利証」(所有権の登記済証)または、登記識別情報通知(パスワード)
② 不動産の固定資産税評価証明書 ※ 名義変更する年度のもの
③ 離婚の記載のある戸籍謄本
④ 夫の住民票 ※ 登記簿上の住所及び本籍地の記載のあるもの
夫の印鑑(実印)
夫の「印鑑証明書」(発行後3ヶ月以内のもの)
夫の実印を押した登記のための「委任状」
※ 登記簿上の夫の住所(氏名)が印鑑証明書の住所(氏名)と異なる場合は、登記に先立ち、「所有権登記名義人住所(氏名)変更の登記」が必要です。
⑤ 妻の住民票(発行後3ヶ月以内のもの)
妻の印鑑
⑥ 不動産の財産分与を証明する離婚協議書 (あるいは、調停証書、判決書謄本)
手順 2. 所有権移転登記申請書を作成します
□ 法務局のホームページに登記申請書のひな型が掲載されています。
手順3. 法務局に申請します
□ 登記申請書と上記で収集した必要書類を法務局へ提出します。
□ 登記の申請は、財産分与する不動産を管轄する法務局(登記所)に行います。
□ 登記を申請する際には登録免許税の納付が必要になります。登録免許税は、固定資産税評価証明に記載されている不動産の価格に1000分の20を乗じた価格となります。(※ 相続の場合は1000分の4)
□ 一週間程度で登記が完了します。