親権者

□ 親権者は離婚届の要記入事項です。親権者をどちらにするか決定しない限り、離婚届は受理されません。

□ 親権は、①身の回りの世話、しつけ、教育を行う「身上監護権」と、⓶子ども名義の財産を管理する「財産管理権」とからなります。 親権には、これらに加え、子どもが契約その他法的手続きをする際の法定代理人としての立場も含まれます。

□ 親権者となった者が監護します。しかし、こどもが幼児の場合などにおいて父親が親権者になったときには、親権の「身上監護権」を切り離して、親権者とは別に監護者を定めることができます。監護者を決めた場合は、離婚届に記載する必要はありませんが、必ず「離婚協議書」を作成し、記載しておきましょう。

□ 親権や監護権を持たない親も、子どもの扶養義務はあります。

□ 子どもが複数いる場合、それぞれに親権者を決めますが、子ども全員の年齢が低い場合は親権を統一することを原則としています。

□ 10歳以上になれば子どもの意思を尊重し、15歳以上は子どもの意見を聞くこととされています。 きょうだいは原則として一緒にすべきと考えられています。

□ 離婚届提出後に親権者を変更する場合は、家庭裁判所の許可が必要となります。 両親の話し合いだけではできません。


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埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 離婚するときは「親権者」を決め離婚届に書きます

 

□ 離婚するときは父母のどちらかを親権者に決め離婚届に書く必要があります。(民法819条1項「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない」)

 

※ 婚姻中は夫婦が子どもの共同親権者となりますが、離婚後はどちらか一方の単独親権となります。離婚後も父母が共同親権者となり続けることはできません。 

 

□ 未成年の子どもがいる場合、離婚後の親権者をどちらにするか決定しない限り、離婚届は受理されません。(親権者は離婚届の要記入事項です)

 

□ 離婚届提出後に親権者を変更する場合は、家庭裁判所の許可が必要となります。 両親の話し合いだけではできません。

 

□ 裁判離婚の場合は家庭裁判所が職権で父母の一方を親権者と定めます。

 

 

2. 親権者が決まらない場合

 

□ 親権者が決まらない場合は、家庭裁判所に「調停の申し立て」を行い親権者を定めます。 

 

 

3. 親権とは「身上監護権」と「財産管理権」とからなります

 

□ 親権は、

①子を手元において身の回りの世話、しつけ、教育を行い、心身の成長の面倒を見ることや身分行為の代理人になる「身上監護権」と、

 

子ども名義の財産を管理し、財産に関する契約などの法律行為についてその子を代理する「財産管理権」とからなります。 

 

□ 親権には、これらに加え、子どもが契約その他法的手続きをする際の法定代理人としての立場も含まれます。

 

 

4. 身上監護権の具体的内容

 

① 子どもの居住場所を指定する権利 

② 子どもをしつけのため懲戒する権利 

③ 子どもの就職等を許可する権利 

④ 第三者に対する妨害排除権(子どもの引き渡しを求める) 

⑤ 子どもの氏の変更・子どもの相続の承認・放棄など身分上の行為を代理する権利

 

 

5. 親権者とは別に監護者を定める場合

 

□ 一般的には、離婚後親権者となった者が監護します。しかし、こどもが幼児の場合などにおいて父親が親権者になったときには、母親が監護するのが適切な場合があります。 そうした場合、親権の「身上監護権」を切り離して、親権者とは別に監護者を定めることができます。 父親が親権者として子どもの法定代理人、財産管理などの行為を行い、母親が監護者となって子どもを引き取り、身の回りの世話や教育を行うことができます。 

□ しかし、親権者と監護者を分けるのはまれです。子どもの氏やその他の問題もあるので、やむを得ない特殊な事情がある場合に限られます。

 

□ 父母ともに、経済的あるいは、健康上の事情で子どもの監護、教育ができない場合は、その承諾があれば、祖父母やおじ、おば、施設等でもよいとされています。

 

□ 監護者を決めた場合は離婚届に記載する必要はありません。法律上の義務はありませんが、後のトラブルを避けるため、必ず「離婚協議書」を作成し、記載しておきましょう。

 

□ 監護者は原則として父母の話し合いで決めますが、決まらないときは家庭裁判所に決めてもらいます。

 

 

6. 子どもの扶養義務

 

□ 親権や監護権を持たない親も、子どもの扶養義務はあります。どのように育て教育するか意見を言う権利もあります。また、「面会交流」も要求できます。相続の権利義務もそのまま残ります。

 

 

7. 親権者は子どもごとに決める

 

□ 子どもが複数いる場合、それぞれに親権者を決めます。 

□ 子ども全員の年齢が低い場合は一緒に生活したほうが人格形成の面からもよいと考えられており、親権を統一することを原則としています。

 

□ 母親が妊娠していて、子どもが生まれる前に離婚した場合は、親権者は母親になります。出産後に、協議により父親に変更することも可能です。

 

 

8. 親権者の決定基準(裁判離婚の場合;協議離婚の場合も応用できます)

 

① 現実に子どもを監護している者を優先します。 乳幼児期は親権者との継続性を重視し、就学後は、住居、学校、友人関係などの継続性を重視します。

② 親権者には、心身ともに良好な健康状態であることが求められます。 

③ 子どもと接する時間がとれることが求められます。  

④ 特に乳幼児期の場合、母性的な役割が優先します。10歳くらいまでは母親が重要視されます。10歳以上になれば子どもの意思を尊重し、15歳以上は子どもの意見を聞くこととされています。

⑤ 父母ともに仕事をしている場合、監護補助者がいる者を優先します。

⑥ 有責かどうかは決定的基準ではありません。子供の幸せを優先基準として判断します。

⑦きょうだいは原則として一緒にすべきと考えられています。

 

 

9. 親権者が亡くなったときどうするか

 

□ 親権者が死亡した場合、未成年の子どもには後見人が立てられます。 親権者の遺言で後見人が指定されていればその者がなります。指定されていなければ、子どもの親族や利害関係者の請求によって、家庭裁判所が後見人を選任することになります。 

□ ただし、もう一方の存命している親が、家庭裁判所に親権者変更の申し立てを行うことができます。

 

 

10. 親権停止

 

□ 親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害しているときは、子ども本人、子どもの親族、子どもの後見人、子どもの後見監督人、検察官、児童相談所長は、家庭裁判所に親権停止の審判を申立てができます。(民法第834条の2)。

ポイント 離婚と子どもに関する、その他の協議事項

1. 離婚後の「子どもの氏・戸籍」はどうするか

 

□ 》離婚後の戸籍・子の氏 をご覧ください

 

 

2.離婚後「こどもの 養育費」をどのように支払うか

 

□ 》養育費 をご覧ください

 

 

3.こどもを引き取らなかった親はどうやってこどもと会うか

 

□ 》面会・交流権 をご覧ください

 

 

4. こどもの転校先はどうするか