姻族関係終了届(死後離婚)~亡夫の両親(義父母)の扶養義務を解消する~

□ 夫の死亡後に、姻族関係を終了させても、結婚前の姓に戻っても、再婚しても、夫からの相続に関係はありません。

 

□ 「姻族関係終了届」は、・・・2016年度には全国で4,032件が届けられた。この10年間で2.2倍に増えている。(2018.1.8朝日新聞25頁) 

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埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 姻族関係終了届(死後離婚)

 

 夫が亡くなった後も、亡夫の妻には義父母を扶養する義務があります。一方、義父母からの「相続分」はありません。

 死後離婚とは、配偶者の死後、その血族との縁を切ることです。「姻族関係終了届」の提出により、配偶者の親族との姻族関係を終わらせることができ、亡夫の両親(義父母)に対する扶養義務は原則なくなります。

 なお、姻族関係終了届は、配偶者からの遺産相続の権利とは関係なく、夫からの相続に影響はありません。相続した財産を返す必要はありません。また、遺族年金は受給できます。

 死後離婚は、「姻族関係終了届」を提出すれば成立します。 

 

 

2. 姻族関係終了届(死後離婚)と復氏

 

 姻族関係終了届(死後離婚)と復氏(婚姻前の氏に戻ること)は無関係です。「姻族関係終了届」は「復氏届」を出さなくても提出することができます。

  姻族関係を終了するが復氏しないときは「婚氏続称届」を提出して夫の姓のままにします。

 

 

3. 姻族関係終了届の届け出期間

 

 夫(配偶者)が亡くなったら、妻はいつでも自由に「姻族関係終了届」を提出し、夫の親族との姻族関係を終わらせることができます。

 

 

4. 「姻族関係終了届」の届け出方法

 

 「姻族関係終了届」は本籍地か住所地の市区町村に提出します。 「姻族関係終了届」を提出すると、戸籍の身分事項欄に記載されます。