□ 配偶者居住権と所有権、選択の分岐点
配偶者居住権の評価額は妻の年齢が若いほど高くなり、所有権の評価額に近づきます。したがって、妻が若いほど配偶者居住権で取得させるメリットは少なくなります。
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埼玉県行政書士会所属
行政書士渡辺事務所
行政書士・渡邉文雄
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➤配偶者居住権の評価額
1. 配偶者居住権の評価額
配偶者居住権の価値= 建物・敷地の現在価値(時価)((A)+(B))− 負担付所有権の価値((C)+(D))
(A):建物の「配偶者居住権の評価額」(現在価値)=建物の時価 − [建物の時価 × (残存耐用年数(*1)− 存続年数(*2))÷ (残存耐用年数 × 存続年数に応じた法定利率(3%)による複利原価率(*3))]
(*1)残存耐用年数:所得税法で定められている耐用年数(住宅用)に1.5を乗じて計算した年数から、建築後経過年数を控除した年数。
(注)残存耐用年数又は「(残存耐用年数 − 存続年数)」が0以下になるときは(残存耐用年数 − 存続年数)÷ 残存耐用年数は0とする。
(*2)存続年数:配偶者居住権を存続させる期間が終身であるときは、配偶者の平均余命(簡易生命表の平均余命 – 配偶者の現在の年齢)。
(*3)複利現価率:複利計算による将来価値の現在価値への割引率。
・ 複利原価率=1 ÷(1+r)のn乗(r:法定利率(3%)、n:経過年数)
・ 法定利率(3%)で10年後の将来価値に対する複利原価率
1 ÷(1+0.03)^10
(B):敷地利用権の評価額(現在価値)=敷地の時価 − (敷地の時価 × 存続年数に応じた法定利率(3%)による複利原価率)
(C):建物の負担付所有権の評価額=建物の時価 − 『建物の「配偶者居住権の評価額」(現在価値)(A)』
(D):敷地の負担付所有権の評価額=敷地の時価 − 敷地利用権の評価額(現在価値)(B)』
(出典:彩の国 行政書士埼玉 №161 2019.2(15−16頁)、法務省ホームページ)
2. 配偶者居住権と所有権、選択の分岐点
配偶者居住権の評価額は妻の年齢が若いほど高くなり、所有権の評価額に近づきます。したがって、妻が若いほど配偶者居住権で取得させるメリットは少なくなります。
配偶者居住権は売却することはできません。したがって、妻が若い場合は、売却して転居したり、老人ホーム等に入居したりできる所有権での相続が有利と言えます。
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