遺言の効力~遺言書が無効になる~

□ 自分に不利な遺言をされた相続人は、理由をさがして無効を主張することがあります。

 

 そのとき理由として使われるものに、①遺言書の偽造・変造、②方式違反、③遺言能力の欠如、④遺言者に対する詐欺・強要(取消事由)などがあげられます。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 年齢による遺言の効力

 

 遺言者が遺言年齢(満15歳)に達していないときにした遺言は無効です。

 民法は満20歳をもって法律行為の行為能力を認めていますが、遺言は例外となっており、満15歳です。

 

 

2. 遺言能力の欠如

 

(1) 遺言能力の欠如者のした遺言は無効です

 

□ 遺言能力とは、遺言がどのような意味を持ち、いかなる法律上の効果を生ずるものであるかを理解する能力とされています。

 

 認知症などで判断能力がなくなり意思能力がない者のした遺言は無効です。

 

※ いつの時点で遺言能力が必要かについては、遺言をする時点で遺言能力があればよいとされています。つまり、遺言をする時点で間違いなく自分の意思を表示できれば有効です。

 

 

(2) 成年被後見人の遺言書の効力

 

① 成年被後見人は、本心に復しているときは、2人以上の医師の立ち会いがあれば単独で遺言をすることができます。

 立ち会った医師が、遺言をする時点では精神上の障害により事理弁識能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記し、これに署名押印します。

 秘密証書遺言の場合は、同旨を封紙に付記し、これに署名押印します。

 

② 成年被後見人が後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者もしくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは無効です。

 

③ 被保佐人、被補助人は単独で遺言できます。

 

 

3. 「方式違背の遺言書」の効力~遺言書が方式を欠く「方式違背の遺言書」は無効です~

 

(1) 遺言の方式による制限

 

 遺言の方式による制限として、①遺言者の国籍その他の人的資格による遺言の方式の制限、②証人が有するべき資格による制限、③書面によらなければならないか否かによる制限、③書面はだれがどのような方法で記載するかによる制限、④口答による遺言の場合記録の要否による制限、⑤証人の立ち合いの要否による制限、⑥証人の人数による制限、などがあります。

 

□ 自筆証書遺言の有効要件

①  全文を自書する

②  日付を自書で記載する

③  自署、押印する

④  加除、変更は定められた方式による

 

(2) 「証人欠格」の遺言書の効力

 

 未成年者、推定相続人(将来、相続人になる人)、受遺者(遺言で財産をもらう人)並びに推定相続人・受遺者の配偶者及び直系血族は証人になれません。 

 

 証人の署名の代筆は、できません。 

 証人欠格遺言は無効です。

 

(3) 「共同遺言」は無効です

 

□ 共同遺言とは、2人以上が連名で遺言をすることです。

□ 共同遺言の例として、夫婦連名でする遺言があります。

□ 共同遺言は無効です。

□ 遺言は、必ず一人ひとりでしなければなりません。

 

(4) 「代理遺言」は無効です

 

 今は意識不明だが、意識があるときに言っていたとして、他の誰かが代理で遺言をすることは禁止されています。  

 

 

注意事 項  遺言無効確認請求訴訟における立証責任

 

 

 遺言書が方式を欠く「方式違背の遺言」である等、遺言の成立要件に関するものは、遺言書が有効であると主張する側によって立証されなければならないと考えられています。

 

 

4. 「公序良俗に反する遺言」は無効です

 

 「公序良俗に反する遺言」とは、社会通念に反する事項や犯罪になるような事柄を内容とした遺言のことです。

 個人の自由を極度に制限するもの 例えば、「再婚しないことを条件に遺贈する」遺言は、無効となります。

 

■ 愛人への遺贈の有効条件

 ・ 不倫関係に維持継続を目的とするものでないこと

 ・ 専ら生計を遺言者に頼ってきた者の生活を保全する目的であること

 ・ 相続人の生活の基盤を脅かすものでないこと

 

 

5. 「錯誤による遺言」は無効です

 

 

6. 詐欺・脅迫による遺言は取り消しできます 

 


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