遺言が必要なケース。

・独身、子がいない。夫婦の間に子がいない。子(息子・娘)が先に亡くなり孫(代襲相続人)がいる。妻が認知症のおそれ。 

・再婚、先妻の子がいる。同居の子と別居の子がいる。ひとり親、未成年の子がいる。障害のある子がいる。妻は既に亡くなった、子どもが何人かいる。認知した子がいる。妻を籍に入れていない。別居し離婚状態。

 

・妻に財産をすべてあげたい。相続人のうちの一人だけが面倒を見てくれた。孫に財産をあげたい。相続権の無い きょうだい に財産をあげたい。きょうだいに相続させたくない。亡長男の嫁に世話になった、財産をあげたい 。認知していない子がいる、財産をあげたい。生前贈与がある。特別受益がある。

 

・相続人が多い。相続人同士が離れ離れに住んでいる。相続人同士普段あまり会っていない(疎遠) 。海外に住んでいる相続人がいる。行方不明の相続人がいる。

 

・相続人(資格者)がいない。相続させたくない相続人がいる(「相続人廃除」)。

 

・主な相続財産は土地と中古住宅だけ。多くの不動産がある。遺産が不動産だけ。地代をもらっている。共有になっている土地がある。担保に入れている不動産がある。借金がある。連帯保証人になっている。相続人が「同居」している。貸している(「使用貸借」)不動産がある。 

 

・妻が自宅に住み続けられるようにしたい(配偶者居住権)。家業を継ぐ者に特定の財産を承継させたい(「事業承継」)。遺産は自宅兼店舗、売るわけにはいかない (「事業承継」)  

 

・遺言を書いたあと家を建て替えた。被相続人が80~90歳代。相続人が70歳代。相続税が高そう。ペットの面倒を見てほしい 。

行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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♧遺言が特に必要な人

➤遺言が特に必要なケースは 

相続がもめるケース  

親や夫に遺言状を書いてもらうには

 1. 子どもがいない夫婦

 

  夫婦の間に子がいない場合は配偶者がすべて相続できる、と思っていませんか?被相続人の両親が亡くなっていても、被相続人にきょうだいがいればそこに4分の1いきます。夫のきょうだいに遺産分割を要求され、住む家がなくなると困りますね。

 

  子どもがいない夫婦は互いに全財産を配偶者に相続させる遺言(夫婦相互遺言)を書くのがおすすめです。配偶者の きょうだい とは話し合うことなく相続の手続きができます。  

 

  また、「後継ぎ遺贈型遺言信託」により、例えば、「自宅の敷地と建物を妻に相続させるが、妻が死亡したら〇〇が受け継ぐこととする」といったように「順次財産を受け継ぐ者を指定する遺言」をすることができます。 

 

2. 独身、子がいない

 

   親や祖父母など直系尊属が生きていればそこに、それも亡くなっていたら、きょうだいに、きょうだい も亡くなっていたら、甥・姪が相続します。相続人がいなかったり、分らないときは財産は国庫に帰属しますが、遺言で「特別縁故者」に財産をのこすことができます。

 

  日頃の交流の無いきょうだいや甥・姪に財産を渡すよりも、世話になった知人にあげたいときは、遺言で遺贈することができます。きょうだいや甥・姪には遺留分はありませんので、遺言で財産は自由に処分できます。なお、その場合、受遺者にあらかじめ自分の意志を伝えて了解を得、かつ、遺言執行人に指定しておきましょう。  

 

  相続させる人がいなくても、亡くなった後の整理や葬儀のことなど遺言は必要です。なお、亡くなった後の整理や葬儀のことをやってもらうことを条件に遺産の一部をあげることができます(「負担付遺贈」の遺言)。

 

  亡くなった後の整理や葬儀のことは 》 》死後の事務委任契約 を結んでおくけば確実です。また、認知症などに備え 》 》任意後見契約  を結び介護や財産管理を頼んでおくと安心です。

 

3.. 妻を籍に入れていない 

 

  内縁関係(事実婚)や夫婦別姓の場合は、法的な保護が十分ではありません。内縁関係(事実婚)や夫婦別姓の妻に相続権はありません。子どもに遺産分割を求められ、家に住み続けることができなくなる恐れがあります。あるいは、甥や姪から「正当に」遺産分割を要求され、同様の事態になる恐れがあります。相続に関しては遺言の作成が必要でっす。  

 

4. 妻は既に亡くなった、複数の子が相続人 

 

  相続でもめるのは、親の重しがなくなったときです。遺言を書き、遺産分割での もめ事をあらかじめ防いておきましょう。  

 

5. 息子が親より先に亡くなった。他の子と息子の孫が相続人  

 

   子と孫(代襲相続人)は対等の立場で遺産分割協議をしても上手くいかないと言われます。遺言で被相続人の意思を明示してあげる必要があります。 

 

6. こどもがいない、甥・姪が相続人 

 

  甥・姪に遺留分はありません。 遺言により遺産分割協議が複雑化するのを防ぐことができます。

 

7. 被相続人と同居の子と別居の子がいる

 

  土地・建物は同居して世話をしてくれた子に相続させ、別居の子には預金を相続させます。別居の子の相続分が不足する場合は代償金でバランスをとります(代償金がないときは付言事項に理由を明記)。 

  きょうだい は対等の立場で遺産分割協議をしても上手くいかないと言われます。遺言で親の意思を明示しておきましょう。  

 

8. 被相続人に認知した子がいる   

 

  認知された子については きょうだい として認めたくないという人もいるといわれます。トラブルを避けるため、遺言で財産の相続を明示しておきましょう。  

 

9. (1)被相続人が再婚した。相続人は後妻とその子、及び先妻の子。 

 (2)被相続人が再婚した。後妻は先妻の子に自分の固有財産(相続した実家)は渡したくない 

 

  義理の親子の関係は微妙なところがあります。被相続人が亡くなった後のことを想像し、遺言で財産の相続を明示しておきましょう。後妻の子は後妻の死後、後妻が夫から相続する財産を相続することを考慮しながら先妻の子と後妻の子の相続分を実質的に公平にします。また、遺言で遺言執行者に後妻に指定しておきます。  

 

10. 相続人が多い相続人同士の関係がうまくいっていない相続人同士が離れ離れに住んでおり普段あまり会っていない

 

  相続人同士のコミュニケーションが希薄になっていると、相続のトラブルが起きやすく、遺産分割協議がまとまりにくくなります。 

 

11.. 推定相続人に認知症の人がいる、またはそのおそれがある人がいる 

 

  相続時、遺産分割協議の内容を理解できない重度の認知症の場合、成年後見人の選任が必要になります。

 

  認知症と診断されると、相続に伴う預金の払い戻しを請求しても、原則として、「後見人」がいないと金融機関は応じてくれません。家庭裁判所に後見人の選任の申し立てを行う必要があります。遺言執行者を指定しておけば、その心配はありません。 

 

  遺言で、自分の死後、認知症、またはそのおそれがある人のお世話をお願いする 方法としては、① 財産を、信頼できる人に「遺贈」(あるいは「死因贈与」)し、お世話をお願いする。② 「遺言信託」し、生活費や看護療養費等を給付してもらう、の2方法があります。 

 

12. ひとり親、未成年の相続人がいる    

 

  未成年者については、遺産分割協議に「法定代理人」の参加が必要です。通常、親権者が代理人となります。親権者もまた相続人のときは、「特別代理人」が必要となります。家庭裁判所に特別代理人選任の申し立てを行い、特別代理人を含めて遺産分割協議を行う必要があります。

  ひとり親など、自分の死後、未成年者の親権者となるべき人がいなくなってしまう場合は、「未成年後見人」を遺言で指定しておきます。 

 

13. 海外等遠くに住んでいる相続人がいる 

 

  海外等遠くに住んでいる相続人がいる方は、電話等で協議を行い、合意した遺産分割協議書を送って署名押印してもらう方法があります。海外に住んでいる場合は印鑑証明書は居住国の公証人からサイン証明をもらい印鑑証明書に代えます。

  海外等遠くに住んでいる相続人がいると遺産分割協議が大変です。遺言をしておけば遺産分割協議は不要となり、相続手続きがスムーズに運びます。  

 

14. 行方不明の相続人がいる(遺産分割に支障がでます) 

 

  行方不明者も法定相続人です。遺産分割協議をするには家庭裁判所に申し出て相続財産管理人を選任してもらい、その相続財産管理人の参加を得て行う必要があります。

  相続財産管理人選任には、相続財産が少ない場合は、申し立て費用とは別に予納金(相続財産管理人選任等の費用)が数十万円~100万円程度必要です。

  行方不明者がいる場合は、遺言に行方不明者の取り分を明記しておきます。行方不明者に子がいるときはその子に遺贈するなどしておきます。これによって、遺産分割に支障がでるのを防ぐことができます。  

 

15. 相続させたくない相続人がいる  

 

  相続人廃除は、遺言によって行うこともできます。  

 

16. 遺産に多くの不動産がある 

 

  誰でも条件のいい物件が欲しいものです。話し合いでは中々まとまりません。遺言が必要です。  

 

17. 遺産も多いが借金も多い 

 

  「債務、連帯保証人の相続」については、その存在等を必要に応じ遺言に書いておきます。 

  債務については、「遺言による相続分の指定の債務」については、可分債務について負担割合を指定しても、債権者は拘束されません。遺言の指定に従って請求することも法定相続分に応じて請求することもできます。 

 

18. 主な遺産は自宅(不動産) 

 

  自宅に住み続けなければならない人がいる場合、自宅(不動産)は相続人で共有することになります。しかし、そこに住まない相続人はそれでは納得できない場合があります。相続がもめる恐れがあります。対策を考えた遺言書が必要です。 

 

19. 遺産は自宅兼店舗(事業基盤)だけ。売るわけにはいかない 

 

  主な遺産が家業の自宅兼店舗あるいは農地の場合、他の相続人に遺産分割を要求されると後継者が事業を承継するのが難しくなります。遺言で後継者に自宅兼店舗(あるいは、株券、農地など家業の事業基盤)を一括して与え、他の相続人には代償金を手当てするなどして家業を継続させることが必要です。また、後継者の配偶者を養子にしておくことも相続対策として有効です。

 

  中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律により、遺留分に関する民法の特例制度が創設されました。遺留分権利者の合意と一定の手続きにより、後継者に贈与された自社株式及び一定の財産について遺留分算定の基礎財産から除外することができます。  

 

民法改正(30.7.13公布) 

  現行では、遺留分減殺請求は、遺留分侵害の現物でしか返還を求めることができませんでした。また、遺留分減殺請求によって遺贈が無効となり、共有関係が当然に生ずることとされていることから、不動産の場合、共有不動産にするしかありませんでした。これらによって事業継承に支障が出ることがありました。これを回避するため遺留分減殺請求によって生ずる権利は金銭債権とされ、現物ではなく金銭で支払うことができるようになりました。事業承継の場合の自社株については、現物ではなく金銭で支払うことができるようになりました(施行は2019年7月1日)。

 

 民法改正により、改正前は、「相続させる」旨の遺言による不動産の贈与については、登記をしなくても第三者に対抗できるとされていましたが、改正後は、法定相続分を超える部分については登記をしなければ第三者に対抗できないこととなりました。その結果、次のような問題が生ずる恐れがあります。

 

① 不動産を事業承継者に単独で相続させる旨の遺言をしても、他の相続人が自分の法定相続分相当持分を先に登記し善意の第三者に売却してしまうと、事業承継者は第三者に対抗できなくなる。 

 

② 他の相続人の債権者が、事業承継者の登記が未了の間に、他の相続人の法定相続分相当持分に対し債権者代位によって登記を行い仮差押えを行ってしまうと、事業承継者は対抗できなくなる。 

 

20. 遺言に家を相続させると書いたが、建て替えた

 

  遺言に家を相続させると書いたが建て替えたときは、遺言書の作り直しが必要です。 

 

21. 生前贈与、特別受益がある

 

  遺産の前渡しとしての生前贈与は遺言で明示しておきましょう。誰に何を(いくら)生前贈与したか、持ち戻し免除をするのかしないのかを遺言で明示しておけば、遺産分割が容易になります。   

 

22. 妻に財産をすべてあげたい   

 

  主な財産が住んでいる自宅で、夫が亡くなった後も妻がそこに住むときは、遺留分を侵害することもやむをえません(法律では遺留分を侵害してはならないと定めているわけではありません。遺留分減殺請求ができるということにとどまります)。ただし、「遺言書の付言」に具体的な理由を書くなどし、遺留分減殺請求が起こらないような配慮をしておくことが重要です。妻からの二次相続について妻に遺言書を用意させるなど対策を講じておくことが重要です。

 

 民法改正(30.7.13公布)により、

①「配偶者居住権」が創設されました。「配偶者居住権」とは、配偶者が相続開始のときに住んでいる建物に、亡くなるまで無償で住み続けることができる権利です。遺産分割において、自宅は配偶者が「配偶者居住権」を取得して引き続き住み、子どもは負担付所有権を取得する、という分け方ができるようになりました。配偶者居住権は遺言で遺贈することもできます。

 これまでは、配偶者は、家を相続すると預貯金などはあまり相続できませんでしたが、これからは、住んでいる家を「配偶者居住権」で取得させることによって、配偶者居住権は所有権よりも評価額が低いことから、その分預貯金を多く相続することができるようになりました。 合わせて 「配偶者短期居住権」も創設され、配偶者が相続開始の時に居住していた建物に遺産分割が終了する(最低6か月間は保障)まで無償で使用できます。

 

*:配偶者居住権は相続する権利ではなく、遺言や、遺産分割協議による法定相続人の合意、家庭裁判所による遺産分割の審判によって、被相続人の配偶者が取得する法定債権です。配偶者に一身専属的な権利であり、譲渡はできません。配偶者居住権(長期)では、存続期間が長期間に及ぶことから、第三者対抗要件としての登記が定められています。

(令和2年4月1日施行。改正法は令和2年4月1日以降に開始した相続、遺言による遺贈は遺言書作成日付が令和2年4月1日以降のものについて適用されます。)

 

②また、結婚期間が20年以上の夫婦間で行った居住用不動産の生前贈与・遺贈については、遺産分割の対象から除かれ、相続時に遺産として計算しなくてもよい(特別受益の持ち戻しをしない)ことになりました(これまでは、相続の時にこれも遺産に加えて相続分を計算する必要があった)。 

 (令和元年7月1日施行。改正法は元年7月1日以降に行った生前贈与、遺言による遺贈は遺言書作成日付が令和元年7月1日以降のものについて適用されます。)  

 

23. 亡くなった長男の嫁に財産をあげたい( 長男の嫁が介護をしてくれた)

 

  寄与分は遺産分割協議によってのみ決められるものであり、遺言に書いても法的拘束力はありませんが、相続人同士の協議における判断材料となり、 争いを防ぐ心理的効果が期待できます。寄与の内容や経過をできるだけ具体的に記載すればより効果的でしょう。 

 

  民法改正により「特別の寄与」制度が設けられ、介護をしてくれた、亡くなった長男の嫁は「特別寄与料」として金銭を請求できるようにようになりました。しかし、遺産分割協議で申し出るのは心理的に負担があり、認められるかどうかも不確実です。確実に財産をあげたいのであれば、遺言で寄与分を考慮した遺贈をすることをおすすめします。

 

  民法改正前は被相続人の息子の嫁等、相続人以外の親族が被相続人に対し無償の療養看護や労務の提供を行っても「寄与分」の請求はできませんでしたが(ただし、被相続人の息子が存命であれば、その寄与分として請求できた)、民法改正(30.7.13公布)により「特別の寄与」制度が設けられ、「特別寄与料」として金銭を請求できるようにようになりました。具体的には、戸籍上の親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族であり、子の配偶者はこの中に含まれる)が介護してきたときなどが該当します。 (令和元年7月1日施行。改正法は令和元年7月1日以降に開始した相続について適用されます。) 

 

24.. 孫に財産をあげたい

 

  未成年の孫に財産をあげたいが、親に管理させたくないときは、遺言中にその旨を明示しておきます。 

 

25. 別居し離婚状態の配偶者がいる

 

  遺産分割協議が困難になります。


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