1. 要式、形式面での禁止規範を遵守する
(1) 》》遺言の方式の制限と禁止規範
(3) 》》自筆証書遺言の加除訂正の仕方
をご覧ください。
2. 一義的で明快、一貫性・整合性、簡潔かつ明瞭
(1) 一義的で明快な表現(あいまいな表現をしない)
遺言書は、相続人が解釈に迷うことのないよう、誰に、何を、どれだけ相続させる(遺贈する)など、一義的で明快な表現で定める、ことが重要です。
あいまいな表現だと、遺言者の真意がわからず、遺言が無効となる恐れがあります。
(2) 遺言条項間で矛盾・抵触しない(一貫性・整合性があり簡潔かつ明瞭)
遺言書は、相続人が解釈に迷うことのないよう、遺言条項間で矛盾・抵触しないよう留意し、一貫性・整合性を保ちながら、簡潔かつ明瞭に定めましょう。
遺言条項間で矛盾・抵触する場合は、遺言者の真意が確定できないとして無効とされるおそれがあります。
3. 相続人が容易に対象物(客体)を「特定」できること
遺言は、遺言執行を見据えて、対象物(客体)の「特定」に万全を期す必要があります。 客観的に特定可能で、解釈上疑義が生じないよう、特定できる記載が必要です。
「不動産」「預貯金」等は、遺言の効力が発生したら直ちに権利移転の効力が生じ得る程度に特定されていなければなりません。
「全財産を相続させる遺言」や「包括遺贈」の遺言の場合は、不動産、預貯金等について特定する記載は必要ありません。 「遺言者の有するすべての不動産」というように、一括して表示しても特定可能です。
ただし、相続人にその存在を明らかにしておきたいときは、特定する記載が必要です。 また、「不動産」「預貯金」等については、特定する記載をすることによって、遺言執行を円滑に進めることが期待できます。
詳しくは、 》》 遺贈対象物(客体)の特定の仕方 をご覧ください。
4. 遺言条項は法律行為別に分ける
遺言する事項は、法律行為別等に分け、箇条書きにすることをおすすめします。
5. 遺言は本文と付言事項に分ける
遺言を書いた理由・自分が亡くなった後の希望・家族に対する感謝の言葉など(狭義の付言事項)を書く場合は、本文(法定遺言事項及び法定外遺言事項)のあとに、表題を「付言事項」として本文と分けて記載するのが一般的です(遺言事項と付言事項の区分が明解です。)
6. 誤字、脱字に、特に注意。~「意思」と「意志」、「追及」と「追求」 ~
遺言文に誤字、脱字を見つけたら、正規のやり方で訂正しましょう。そうしないと不動産登記に事実上使えなくなることがあります。
なお、訂正する場合は、訂正箇所に二重線を引き、正しい文字をその上に書き、近くに押印します。併せて、本文のあとの署名・押印のあとの余白に、「上記〇(条)中、〇字削除〇字追加」と書き署名します。
(出典:法務省ホームページ「遺言書の様式の注意事項等について」)
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