□ 遺言執行を見据えて、遺贈対象物(客体)の「特定」に万全を期す必要があります。 客観的に特定可能で、解釈上疑義が生じないよう、特定できる記載が必要です。
□ 不動産、預貯金等は、遺言の効力が発生したら直ちに権利移転の効力が生じ得る程度に特定されていなければなりません。
□ 「全財産を相続させる遺言」や「包括遺贈」の遺言の場合は、不動産、預貯金等について特定する記載は必要ありません。ただし、相続人にその存在を明らかにしておきたいときは特定する記載を行います。また、不動産、預貯金等については、特定する記載をすることによって、遺言執行を円滑に進めることができます。
行政書士は街の身近な法律家
埼玉県行政書士会所属
行政書士渡辺事務所
行政書士・渡邉文雄
預貯金
(記載例)
〇〇銀行〇〇支店 定期預金 口座番号 〇〇〇〇
〇〇農業協同組合〇〇支店 定期預金 口座番号 〇〇〇〇
及び出資金の全て
預金の特定は「金融機関名・支店名」「口座の種類(定期預金等)」「口座番号」※口座名義人は書かなくてもよい。 「残高」は利息・利子などによって変動の可能性があるので書かないこともあります。
(記載例)
ゆうちょ銀行 通常貯金 記号 番号 〇〇〇〇
ゆうちょ銀行の場合は「ゆうちょ銀行」、「口座の種類(通常貯金等)」「記号」「番号」を書きます。「残高」は利息・利子などによって変動の可能性があるので書かないこともあります。
預貯金を1人に相続させ又は遺贈する場合も、存在を明らかにするとともに、預金相続手続きがしやすいよう、「預貯金のすべて」と書かないで特定することをおすすめします。
預貯金は、「特定」しておかないと、相続開始後、預金の開示を請求するには、被相続人(亡くなられた方)が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本と、相続人全員の同意書(印鑑証明)が必要となります。
※ 以上、ネット銀行預金(*)も同様です。
* 店舗を持たず、インターネット上の取引を中心としてサービスを提供する銀行。
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