遺 言 書
遺言者〇〇〇〇は、遺言者の有する別紙記載の預金を信託財産として、次のとおり信託を設定する。
第1条 信託の目的
遺言者の有する第2条記載の預金を信託財産として管理運用を行い、妻〇〇〇〇(昭和△△年△月△日生)の生活資金、医療費等の給付を行うことを目的とする。
第2条 信託財産
別紙記載の預金を信託財産として管理運用及び処分を行うものとする。
第3条 受託者
1. 本信託の受託者は、下記の者とする。
遺言者の長女〇〇〇〇(昭和△△年△月△日生)
2. 次の場合には、受託者の任務が終了し、受託者があらかじめ書面により指定した者を後継受託者とする。
(1) 受託者について、信託法第56条第1項各号に掲げる事由が生じたとき
(2) 受託者について、任意後見監督人選任の審判がなされたとき
第4条 信託の期間
遺言者の妻〇〇〇〇の死亡もしくは信託財産の消滅までとする。
第5条 受益者
本信託の当初受益者は、下記の者とする。
遺言者の妻〇〇〇〇(昭和△△年△月△日生)
生年月日
第6条 受益権
本信託の受益権には、譲渡、質入れその他の担保設定をすることができない。
第7条 信託財産の給付方法
受託者は、受益者に対し本遺言の効力発生後毎月、信託財産から、受託者が相当と認める生活費を受益者に手渡し、または債権者に支払う。
第8条 管理に必要な事項
1. 信託財産については、信託に必要な換金等を行い、又は名義変更等を行う。
2. 信託財産の金融機関への預金等、保存行為及び管理運用に必要な措置は、受託者がこれを行う。
3. 受託者は、毎年△月末日現在の信託財産の内容を受益者に報告する。
第9条 分別管理
受託者は、本信託財産について、信託法の規定に基づき、受託者の固有財産および他の信託の信託財産と分別して管理するものとする。
第10条 信託の変更
本信託の目的に反しない限り、受託者及び受益者が協議し、両者の合意により、本信託の内容を変更することができる。
第11条 信託の終了
本信託は、次の各号の事由のいずれかが生じたときに終了する。
(1) 受益者と受託者が合意したとき
(2) 本信託財産が消滅したとき
(3) 信託法所定の信託終了事由に該当したとき
第12条 清算事務
1. 清算受託者として、本信託終了時の受託者を指定する。
2. 清算受託者は、信託清算事務を行うに当たっては、本信託条項及び信託法令に従うものとする。
第13条 信託終了時の残余財産の帰属権者
残余の信託財産については、長女〇〇〇〇に帰属させる。
第14条 その他
本信託条項に定めのない事項については、受益者及び受託者が協議の上決定するものとする。
(別紙省略)
令和〇年〇〇月〇〇日
(遺言者住所)
遺言者 〇〇〇〇 印
ここが遺言(相続)のポイント
① 遺言による信託を設定して妻の支援を依頼する方法(遺言信託)
遺言信託とは遺言により信託を設定することです。
遺言で、受託者に対し、受益者のために遺言者の財産を管理・給付・処分をすべき旨の信託を設定します。
遺言信託は遺言作成前に、受託者と信託内容について話し合い、確認しておく必要があります。
② 遺言により財産を遺贈して妻の支援を依頼する方法(負担付き遺贈)
③ 自分が死亡することを条件として妻を受益者とする「信託契約」をする方法(遺言代用信託)
遺言代用信託とは契約による信託ですが、契約による信託に遺言のような機能を持たせています。
遺言代用信託では、委託者生存中の当初は自らを受益者として効力を発生させた上で、委託者が死亡した時に、指定した者に受益権を承継させます。
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本文例はあくまでも一例です。遺言者のご希望はもとより、推定相続人や遺贈したい人の状況、相続財産の状況などによって遺言文は違ってきます。
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