相続税の計算の仕方

□ クイズ、「遺贈」は贈与税?相続税? 

 答え 遺贈は相続税です。だだし、遺贈による相続税は2割加算です。(税法上の「遺贈」は、遺言によって相続人以外の人が財産を引き継ぐことを指します。)


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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ポイント関連情報

STEP 1  相続税の対象となる「遺産の総額」を計算します 
『「本来の相続財産の価格(*1)」ー「債務・葬儀費用」』+「みなし相続財産の価格(*2)」+「相続開始前3年以内に生前贈与された財産の価格(*3)」+「相続時精算課税贈与財産の価格」」

*1 本来の相続財産:相続、遺贈(死因贈与を含む)により取得した財産 

 

*2 みなし相続財産 

① 死亡保険金(生命保険金)

 受取人を指定した保険金は指定された人の固有財産となり相続の対象にはなりませんが、相続税の課税対象にはなります。

(※ 生命保険には、相続税の非課税枠とは別の非課税枠があります。受け取った保険金が、500万円×法定相続人以内なら、相続財産に加算されません。) 

② 死亡退職金 

③ 遺言による信託受益権 

 

④ 遺言による債務免除益

 

※ 「本来の相続財産の価格ー債務・葬儀費用」がマイナスのときは、一旦ゼロとし、以降を加算します。 

 

 

*3 相続税の計算の場合は、相続開始前3年以内に生前贈与された財産も算入します 。ただし、

① 「贈与税の配偶者控除」を利用したものは、相続開始前3年以内に生前贈与されたものでも相続税の課税対象にはなりません。 (特別受益持ち戻しの対象にはなります)

② 「住宅取得資金の非課税の特例」を利用した贈与における非課税の部分の金銭は相続税の課税対象にはなりません。(※ 贈与税の110万円の基礎控除の範囲内のものを含みます。)

 

(1) 非課税財産 

① 墓地等祭祀財産 

② 「死亡保険金(生命保険金)」相続人が受け取った場合、500万円×法定相続人の数まで非課税ただし、相続放棄した場合は課税されます。

③ 「死亡退職金」相続人が受け取った場合、500万円×法定相続人の数まで非課税です。ただし、相続放棄した場合は課税されます。 

④ 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者に相続または遺贈する財産

 

 (2) 財産の評価方法 

■ 相続税の計算においては、財産は亡くなった日の時価で計算します。 

 

■ 相続開始前3年以内に生前贈与された財産、相続時精算課税贈与財産の遺産としての価格は、贈与時の時価となります。 

① 土地:市街地の宅地はそのときの「路線価」を基準とします(土地の相続税評価額は時価(実勢価格)の8割と言われています)。 

・ 郊外、農村は固定資産評価額(注:課税標準額ではありません)の定倍率で計算します。 

② 家屋:固定資産評価額=相続税評価額(賃貸されていれば、借地権評価額又は借家権価格が控除されます)

※ 貸家の評価額 建物の固定資産税評価額 ×(1-借家権割合(30%))

※ 借地権等その他の不動産関係の課税基準は相続税法によって定められています。 

※ 借家権の評価額 建物の固定資産税評価額 × 借家権割合(30%)

③ 現金:相続時に存在していた金額 

④ 預貯金:定期預貯金は相続時に存在していた金額に利息が付された金額 

⑤ 上場株式:金融証券取引所の課税時期における終値と相続の日3か月間の平均のうち最も低い価格。新聞の株式欄参照。

⑥ 非上場株式:取得者が同族関係者と同族関係者以外とで異なります。

⑦ 保険契約:解約返戻金の額

⑧ ゴルフ場の会員権:取引価格の70%

 

STEP  2    「遺産の総額」から「基礎控除額」を引き、「相続税課税遺産の総額」を計算します

相続税の基礎控除額

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数 2015(H27).1.1~

■ 「代襲相続人」は実数です。 

■ 「養子」は、2人以上いても実子がいれば1人でカウントします。実子がいない場合は何人いても2人でカウントします。 

■ 「相続放棄」をした人も「法定相続人」には含まれます。法定相続人の数は相続放棄をする前の人数です。

 

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□ 残余価格がなければ(課税価格が基礎控除額以下)、相続税は誰にもかかりません。 申告不要です。 

 

□ 残余があれば、Step3へ進みます。

STEP 3 「相続税の総額」を計算します

① 前STEPでの残余価格、すなわち「相続税課税遺産の総額」を法定相続割合で各相続人が相続したと仮定し、相続人ごとに仮の相続額(仮定取得価格)を算出します。

② 次いで、この仮定取得価格を相続税の速算表(このページの巻末に掲載してあります)に当てはめて、各相続人の仮の相続税額(仮定相続税額)を算出します。

③ それを合計して仮の相続税額合計(相続税の総額)をだします。

STEP 4   「相続人ごとの相続税額」を計算します

□ 前STEPでの「相続税の総額」を各相続人が「実際に相続した相続財産の課税価格」の割合に応じて比例按分します。

 

※ 未分割の場合は法定相続分で按分します。

 

□ 一親等の血族・配偶者以外の相続人(きょうだい、甥・姪、代襲相続を除く)の税額は2割増しになります。(2割加算後の税額がその人の実際に相続した相続財産の課税価格の70%を超えるときは70%)

STEP 5   「相続人ごとの納付税額」の計算
□ 前STEPでの「相続人ごとの相続税額」から、各種の税額控除や既に支払った税金分を控除し、各相続人が実際に納付する金額を計算します。 
 1. 贈与税額控除 

・ 相続開始前3年以内に贈与を受け、贈与税を支払っている場合は、二重課税を調整するため差し引きます。 

 

2. 配偶者に対する税額軽減 

・ 配偶者の場合は、取得財産の課税価格が①1億6千万円または②法定相続分相当額のいずれか多い金額までは相続税はかかりません。ただし、申告することが必要です(遺言書または遺産分割協議書作成添付)

 

3. 未成年者控除  控除額は6万円 ×(20ー相続開始時の年齢)

 

4. 障害者控除   控除額は6万円(*) ×(85ー相続開始時の年齢) (*)特別障害者は12万円 ※70歳未満であること

 

5. 相次相続控除 ※被相続人が相続してから10年以内であること 

 

6. 外国税額控除 国外にある財産を相続し、財産の所在国で「相続税」が課せられたとき

 

7. 相続時精算課税制度に係る贈与税額控除

ポイント 相続税速算表(2711日以後の相続)

 

【平成2711日以後の場合】相続税の速算表

法定相続分に応ずる取得金額

税率

控除額

1,000万円以下

10

3,000万円以下

15

50万円

5,000万円以下

20

200万円

1億円以下

30

700万円

2億円以下

40

1,700万円

3億円以下

45

2,700万円

6億円以下

50

4,200万円

6億円超

55

7,200万円

この速算表で計算した法定相続人ごとの税額を合計したものが相続税の総額になります

出典:国税庁ホームページ

注意事 項 申告が必要なときは税理士にご相談することをお勧めします


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