相続のあれこれ~我が家の「相続」はどうなるのか~




□ 相続の手続きをスムーズに進めるには代表者を決めておくことが肝要です。一般的には配偶者若しくは長男などが代表者となり、相続人全員で話し合って決めます。 

□ 「特別の寄与」の制度が創設されましたが、特別寄与料をもらうには気まずい思いをすることもあります。遺言で配慮してもらうのが一番です。 

□ 遺産分割は1次相続と2次相続をトータルして考える必要があります。

□ 使うあてのない不動産の相続は維持管理費・固定資産税、解体費用が不動産価値を上回ることがあります。相続放棄を検討する必要があります。

□ 遺言がないときは法定相続分となりますが、相続人全員で一致すれば違う割合で分けることができます(多数決ではありません)。

□ 親と子が同居し主な遺産は自宅の土地と建物だけの場合の遺産分割は難しい、財産の分けようがない。

□ 不動産の共有はトラブルの元です。実態として単独使用になってしまうという問題のほか、建て替えや持ち分の売却には相続人全員の合意が必要です。相続で所有権移転登記をしないまま、相続人がどんどん増えてしまうという問題もあります。

□ 子どもがいなくても、妻が全部相続できるとは限りません。 

□ 死亡退職金、生命保険金は相続財産ではありませんが、相続税の課税対象にはなります。

注意事 項 民法改正(30.7.13公布)により、

① 遺贈等によって配偶者に「配偶者居住権」を取得させることができるようになります

「配偶者居住権」が創設されました。「配偶者居住権」とは、配偶者が相続開始のときに住んでいる建物に、亡くなるまで無償で住み続けることができる権利です。遺産分割において、自宅は配偶者が「配偶者居住権」を取得して引き続き住み、子どもは負担付所有権を取得する、という分け方ができるようになります。配偶者居住権は遺言で遺贈することもできます。

 これまでは、配偶者は、家を相続すると預貯金などはあまり相続できませんでしたが、これからは、住んでいる家を「配偶者居住権」で取得させることによって、配偶者居住権は所有権よりも評価額が低いことから、その分預貯金を多く相続することができます。 合わせて 「配偶者短期居住権」も創設され、配偶者が相続開始の時に居住していた建物に遺産分割が終了する(最低6か月間は保障)まで無償で使用できます。

 配偶者居住権は売却できません。自宅に住まなくなったときは放棄することになります。配偶者が自宅を売却して有料老人ホーム等に住み替えることはできなくなります。

 配偶者居住権は配偶者の死亡により消滅しますので、2次相続は配偶者の金融資産のみとなり、相続税が軽減となります。

 

*:配偶者居住権は相続する権利ではなく、遺言や、遺産分割協議による法定相続人の合意、家庭裁判所による遺産分割の審判によって、被相続人の配偶者が取得する法定債権です。配偶者に一身専属的な権利であり、譲渡はできません。配偶者居住権(長期)では、存続期間が長期間に及ぶことから、第三者対抗要件としての登記が定められています。

(令和2年4月1日施行。改正法は令和2年4月1日以降に開始した相続に適用されます。遺言による遺贈は遺言書作成日付が令和2年4月1日以降のものについて適用されます。)

 配偶者居住権の設定された物件の固定資産税の納税義務者は所有者と考えられています。ただし、改正法で居住建物の通常の必要経費は配偶者が負担するとされており、配偶者に求償することができると考えられています。

 

② 生前贈与・遺贈した自宅は遺産分割の対象から除かれます

 結婚期間が20年以上の夫婦間で行った居住用不動産の生前贈与・遺贈については、遺産分割の対象から除かれ、相続時に遺産として計算しなくてもよい(特別受益の持ち戻しをしない)ことになりました(これまでは、相続の時にこれも遺産に加えて相続分を計算する必要があった)。 

 

 ただし、遺留分を侵害する場合は遺留分侵害額請求権の対象になると考えられます(出典;「彩の国行政書士埼玉」№163 2019.6 13頁)

 

 (令和元年7月1日施行。改正法は元年7月1日以降に行った生前贈与、遺言による遺贈は遺言書作成日付が令和元年7月1日以降のものについて適用されます。) 

 

③ 預金の払い戻しができるようになりました

 これまでは、遺産分割協議が調わなければ預貯金を引き出すことはできませんでしたが、「預金の仮払制度」が創設され、遺産分割前でも、預金の一定額までは、相続人が単独で払い戻せるようになりました。

 払い戻せる金額は、預貯金額×1/3×法定相続分です。(金融機関ごと、上限150万円)

 (令和元年7月1日施行※相続開始が施行日前であっても適用されます。)

 

④ 遺留分減殺請求は金銭で支払うことに限定

 遺留分減殺請求権から遺留分侵害額請求権に変更されました。現行では遺留分減殺請求によって当然に物権的効果が生じ、遺贈は無効となり共有関係が生ずるとされています。このことによって事業継承に支障が出ることから、これを回避するため遺留分減殺請求によって生ずる権利は金銭債権としたものです(対象財産が共有状態になるとされていたものを改め遺留分侵害額に相当する金銭債権を生ずるものとした)。また、受遺者等の請求により、裁判所が支払い期限を設けることができることとした。

 なお、遺留分侵害額請求権は遺留分減殺請求権と同様に形成権であるとされています(権利者の一方的な意思表示により法律関係の変動を生じさせる)。(令和元年7月1日施行。令和元年7月1日以降に開始した相続について適用されます。)

 

 相続人への生前贈与については、死亡前10年間にされたものに限り、遺留分算定の対象財産に算入するようになった。

 

⑤ 相続の効力等に関する見直し~法定相続分を超える部分については登記をしなければ第三者に対抗できないことに~

「相続させる」遺言による不動産については、登記をしなくても第三者に対抗できるとされていたものを改め、法定相続分を超える部分については、遺産分割、遺贈、相続させる遺言の類型に関係なく、登記をしなければ第三者に対抗できないこととした。(令和元年7月1日施行。令和元年7月1日以降に開始した相続について適用されます)

 

⑥ 「特別の寄与」の制度の創設~相続人以外でも療養看護等を行った場合は金銭を請求できることに~

 現行では被相続人の息子の嫁等、相続人以外の親族が被相続人に対し無償の療養看護や労務の提供を行っても「寄与分」の請求はできませんでしたが(ただし、被相続人の息子が存命であれば、その寄与分として請求できた)、民法改正(30.7.13公布)により「特別の寄与」制度が設けられ、「特別寄与料」として金銭を請求できるようになりました。具体的には、戸籍上の親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族であり、子の配偶者はこの中に含まれる)が介護してきたときなどが該当します。なお、遺産分割については現行と同じく相続人だけで行うことに変わりありません。(令和元年7月1日施行。令和元年7月1日以降に開始した相続について適用されます。)

 

⑦ これまでは、自筆証書遺言は全てを自分で書かなければなりませんでした。これからは、本文を自筆で書けば、財産目録はパソコンで作ったり、不動産の登記事項証明書のコピーの添付もできるようになりました(ただし、財産目録の全ページに署名押印が必要です)。(2019(平成31年)1月13日施行。平成31年1月13日以降に作成された遺言について適用されます。相続開始が施行日以降であっても、施行日前に作成された遺言には適用されません。)

 □ 相談(30分 3,240円)

※初回のご相談は30分まで無料。(業務をご依頼いただいた場合、ご依頼された業務に関するご相談については30分超も無料となります)

※面談は予約制です。

□ 相続関連の知識 

ポイント 相続について法律で決まっていること

 

~相続する人や分け前は法律で決まっている~

 

相続の開始、遺産分割と遺産分割の実行の指定

➤ 相続人、相続の優先順位

遺産分割と法定相続分

➤ 非嫡出子の相続分

➤ 相続欠格

➤ 遺留分

➤ 遺留分減殺請求

遺留分の計算の仕方

➤ 相続回復請求

➤ 特別縁故者

➤ 内縁関係での「相続」 

➤ 夫が亡くなったので旧姓に戻る(復氏届)

➤ 養子縁組と離縁(養子縁組の解消)

 

~被相続人(親)より先に子が死亡したら孫が相続する~

 

➤ 代襲相続と数次相続 

 

~多額の借金がある場合は相続を放棄できる~ 

 

➤ 相続放棄 

➤ 限定承認

➤ 単純承認

➤ 財産分離

➤ 相続分の譲渡  

➤ 相続分なきことの証明書

 

~親の世話をした人は相続分が増える ~

 

➤ 寄与分・特別寄与制度

 

~生前に特別にお金をもらっていたら相続分が減らされる~

 

➤ 特別受益

ポイント 相続のご相談は(お問い合わせ先)

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