□ 自分のこどもなど、相続人や親族の一人と任意後見契約を結ぶときは、他の相続人にも話をしておくことをおすすめします。知らせておかないと後日もめる原因になります。
手順 1 ご自身で後見人にやってもらいたいことを決めます。
任意後見契約を結ぶには、まず支援してくれる人(後見人)を選ぶ必要があります。しっかりした、信頼できる人を選びます。
■ 後見人をご自身で選び、その方の了解を得ます。
■ 後見人は、自分のこどもなどの親族や知人・友人などから選ぶケースが多く、親族の場合、一般的には報酬はゼロです。
■ 弁護士、司法書士、社会福祉士、行政書士等の専門家、または社会福祉協議会等に後見人になってもらうこともできます。
第三者の場合、報酬は月額1~3万円が相場です。(任意後見人の報酬・後見監督人の報酬の支払いは、認知症などにより判断能力が低下し、後見が開始してからになります。)
手順 2 事前に公証役場へ電話で予約し、打合せ、必要書類、費用の確認をします
(必要書類)
本人;「印鑑証明書」(3ヶ月以内に作成したもの)、「実印」、「戸籍謄本」、「住民票」
受任者(任意後見人);「印鑑証明書」(3ヶ月以内に作成したもの)、 実印、「住民票」
※ 公証役場での身分証明を写真付きの免許証等で行う方は、印鑑証明書は不要です。(印鑑も認め印で可)
(費用)
① 公正証書作成基本手数料 11,000円
② 登記嘱託手数料 1,400円
③ 登記所に納付する印紙代 2,600円
④ 本人等に交付する正本等の証書代、登記嘱託書郵送用切手代など
手順 3 任意後見人(予定者)と二人で公証役場に行き、任意後見契約を結びます。
※ 任意後見契約は公正証書でのみ作ることができます
□ 公証人は、東京法務局に「任意後見登記」を行います。
□ 登記される事項は、誰が誰にどのような代理権を与えたかという、任意後見契約の内容です。
■ 後見開始前;本人、任意後見受任者、代理権の範囲
■ 後見開始後;本人、任意後見人、後見監督人、代理権の範囲
□ 登記が完了すると、 任意後見受任者は、その氏名や代理権の範囲などを記載した「登記事項証明書」の交付を受け(※1)、任意後見契約の効力発生後に、代理権を持っていることを証明でき、事務処理を行うことができます。
(※1)登記事項証明書は東京法務局から送ってもらいます。
※ 閲覧、登記簿謄本の交付は本人、四親等以内の親族、後見人などに制限されています。
□ 「任意後見を開始する前」は、いつでも公証人の認証をうけた書面により契約を解除できます。
手順 4 判断能力が不十分になったとき、任意後見受任者(任意後見人になることを引き受けた人)や家族等(※)が、家庭裁判所に対し、「後見監督人」を選任してほしい旨の審判を申し出ます。
※ 申立てをすることができるのは、任意後見受任者、本人・配偶者・四親等内の親族です。
手順 5 支援の開始
家庭裁判所が「後見監督人」を選任すると「任意後見人」が支援を開始することになります。
「後見の開始後」は、本人、任意後見人とも、正当な事由がないかぎり、契約を取り消すことはできません。
手順 5 支援の終了
頼んだ本人(委任者)、援助者(任意後見受任者)のどちらかが死亡すると契約は終了します。
任意後見契約が終了したときの「終了登記」は、後見人から東京法務局に申請します。