財産管理委任契約(任意代理契約)・見守り契約・死後の事務委任契約

任意後見契約を補う「財産管理委任契約(任意代理契約)」「見守り契約」「死後の事務委任契約」

 

□ 財産管理委任契約(任意代理契約)

 足が不自由になると銀行に行くのも大変です。寝たきりになってしまうと預金をおろしに行くこともできなくなります。財産管理委任契約(任意代理契約)は、こうしたときに、財産管理・金融機関との取り引きや療養看護の事務手続きを他人に依頼する契約です。任意後見契約の付随的契約として締結する場合、任意代理契約と呼びます。

 

「見守り契約」

 任意後見契約の問題点として、判断能力が低下しているのに本人が気付かず、家庭裁判所への「任意後見監督人」選任の申し立てがなされないことがある、という点があります。これを補うものとして「見守り契約」があります。

 

□ 死後の事務委任契約」

 自分の死後、死亡の連絡、葬式や法要の施行と費用の支払い、介護施設への支払いなどを依頼しておく方法として「死後の事務委任契約」があります。

 

注意事 項 以下のような成年後見制度の改正が平成28年4月、参議院本会議で可決成立しました。 

 利用者の死亡後も、相続人に引き継ぐまで財産の保存、債務の弁済をしたり、家裁の許可を得て、埋葬の契約をできるようにする。 

 3年以内に法整備をする。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 財産管理委任契約(任意代理契約)

 

(1)財産管理委任契約(任意代理契約)とは

 

 「財産管理の委任契約」は、判断能力は十分あるが身体的に大変な場合に、財産管理・金融機関との取り引きや療養看護の事務手続き、その他の事務を頼む契約です。任意後見契約の付随的契約として締結する場合、任意代理契約と呼びます。

 任意代理契約は公正証書で作成することは義務付けられていませんが、契約内容を明確にするために公正証書が望ましいと言われています。

 

 

(2)財産管理委任契約(任意代理契約)で依頼すること

 

 依頼する内容は、財産管理と療養看護です。依頼する事務、費用の負担について定めます。

 

(財産管理の例)

 

① 預貯金(通帳・カード)の管理、年金の管理、現金、保険、有価証券(株式等)の管理。金融機関での預け入れ、引き出し、振り込み 

 

② 税金や電気、ガス、水道代等公共料金の支払い、家賃、施設利用料、入院費などの支払い、年金などの収入の受取り 

 

(療養看護の例)

 

① 入院手続きや、介護施設への入所契約、介護契約を結ぶことなどの手続き。入院中、退院時の手続きなど。 

 

② 要介護認定の申請、介護契約を結んだり、施設への入所契約、医療契約を結ぶことなど。

 

 

※ 「財産管理の委任契約」や「任意後見契約」で委任したい内容は、「代理兼目録」に記載します。

 

 

(3)財産管理委任契約(任意代理契約)はいつからスタートするか

 

ア、「財産管理の委任契約」は契約を結んだときからスタートするのが一般的です。

 

イ、この他、元気な時に契約を交わし、身体的に大変になったときにスタートさせるようにすることもできます。

 その場合は、契約に中に「本契約は、委任者が財産管理行為の依頼を申し入れ、受任者がこれを承諾したときにその効力を生ずる」と定めておきます。

 

ウ、 任意後見契約(移行型)~任意後見契約と同時に、特約で「任意代理契約(財産管理の委任契約)」を結ぶ~

 判断能力が十分にあるうちから、頼んだ人(任意代理人)に財産管理等の事務を自分に代わってやってもらいはじめ、判断能力の低下した後は、「任意後見監督人」の監督のもとで頼んだ人に「任意後見人」として事務処理を続けてもらうことができます。

 この場合、任意後見契約と同時に、特約で「任意代理契約(財産管理の委任契約)」を結びます。任意代理契約には任意後見契約の効力が生じたら代理権が消滅する、という規定を設けます。

 

エ、 短期間の契約

 「財産管理の委任契約」は、長期の入院などの場合に、その間に限って契約することもできます。

 

 

2. 見守り契約

 

(1)見守り契約とは

 

 任意後見契約を結んでいても、認知症の進行などによる判断能力の低下に本人が気付かず家庭裁判所への「任意後見監督人」選任の申し立てがなされないおそれがあります。

 この点を補うものとして見守り契約があります。「見守り契約」は任意後見開始時期の判断を依頼する契約です

 

 

(2)見守り契約で依頼すること

 

 具体的な取り決めは、たとえば月に一回電話連絡をする、半年に一度面談する、といったように定めて定期的に連絡を取り合い、本人の状況を見守りながら任意後見に移行する時期を見極めます。

 

 「見守り契約」は、任意後見への確実な移行に有効です。任意後見契約と同時に契約を結ぶことが望ましいでしょう。  

 

 

3. 死後の事務委任契約

 

 任意後見契約、任意代理契約は死亡によって終了します。自分の死後、死亡の連絡、葬式や法要の施行と費用の支払い、病院・施設への支払い、家財道具の片づけ、個人情報の処理、賃貸住宅の返還手続き、健康保険の届け出、生命保険の届け出、自動引落しの停止、携帯電話、各種クレジットカード等の解約、免許証・パスポート返納等死亡に関連した事務を依頼しておく方法として「死後の事務委任契約」があります。

 

□ 詳しくは、》死後の事務委任契約 をご覧ください。

 

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