遺言書、書き終わったら点検

□ 認知症などで判断能力がなくなった者のした遺言は無効です。 

□ 自筆証書遺言の有効要件 ①全文を自書、②日付を自書、③自署、捺印(押印は実印、印鑑証明書を同封)、④加除、変更は定められた方式による

□ 土地や建物は登記簿謄本(登記事項証明書)の通りに。  

□ 遺留分を侵害する場合、相続の割合を法定相続分と違える場合、寄与分を記載する場合は、遺言書の付言に具体的な理由を明確に書きます。 

□ ①遺言で認知をする場合、②遺言で相続人の廃除をするとき、遺言で相続人の廃除の取消をするときは遺言執行者を必ず指定します。 

□ ①相続人等間の利害が対立するような遺言、②内縁の妻へ特定遺贈をする遺言 、③生命保険金受取人を変更する遺言、④相続人以外の第三者に不動産の遺贈をする遺言、⑤不動産や預貯金、有価証券を複数の人に相続する遺言、⑥相続人や受遺者が多数の遺言、⑦一般財団法人を設立する遺言 は遺言執行者を指定しておいた方がよい。 

□ 遺言執行者を専門家以外に指定する場合は、遺言執行者の権限について具体的に記載しておいた方がよい。 

□ 遺言条項間で矛盾・抵触はないかチェック 。

□ 遺言の撤回は前の遺言を取り消す旨の記載をした新たな遺言書を作る


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

似顔絵

1. 遺言能力がない者のした遺言は無効です

 

□ 認知症などで判断能力がなくなった者のした遺言は無効です。

□ 満15歳にならないもののした遺言は取り消しうるのではなく当然無効です。

 

□ 成年被後見人は、本心に復しているときは、2人以上の医師の立ち会いがあれば単独で遺言をすることができます。 

□ 成年被後見人が後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者もしくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは無効です。 

 

□ 被保佐人、被補助人は単独で遺言ができます。

 

2. 遺言書が方式を欠く「方式違背の遺言書」は無効です 

 

 (自筆証書遺言)

①全文を自書

□ 自筆証書遺言は、遺言する本人の自書でなければなりません。

②日付を自書

□ 作成日付は西暦または元号で、年月日を全て省略することなく自書で正確に記入します。

□ 例:平成28年3月1日のように具体的な日付を書きます。

③自署、捺印

□ 後日、遺言の効力を巡りトラブルになることを避けるため、押印は実印にをおすすめします。印鑑証明書を同封しておくことをおすすめします。

④加除、変更は定められた方式による

 

(参考)

 遺言者の国籍その他の人的資格による遺言の方式の制限

 

3. 代理遺言は無効です

□ 今は意識不明だが、意識があるときに言っていたとして、他の誰かが代理で遺言をすることは禁止されています。

 

4. 共同遺言は無効です 

□ 共同遺言とは、2人以上が連名で遺言をすることです。

□ 例として、夫婦連名でする遺言があります。 

□ 遺言は、必ず一人ひとりでしなければなりません。 

 

5. 「公序良俗に反する遺言」は無効です

 

6. 物件、預貯金については、客観的に特定できるよう、あいまいな表現がないか注意し、解釈上疑義が生じないようにします

 

□ 「家を相続させる」という表現では、土地と建物か、建物だけか分かりません。 土地や建物は、マンションも含め、登記簿謄本(登記事項証明書)の通りに書きます。(そうしないと相続登記に使えないということもあります) 

※  未登記のものは家屋番号の欄に「未登記」と書きます。固定資産税課税台帳登録証明書の通りに書きます。 

※ 家財道具についても建物の受遺者に帰属させる場合は、紛争予防のため、その旨明記します。 

□ 預貯金は、金融機関名と支店名を記載し、「〇〇銀行〇〇支店の遺言者名義の定期預金全額」等と書きます。

□ 株券は、「株式会社〇〇の株式〇〇株」と書きます。

 

7. 相続財産に漏れはないか、遺産分割協議の余地はないか

 

□ 遺言に書かれていない財産がある場合、原則として「法定相続」となります。

 

□ 遺言に漏れている借入金や未払い金などの債務があった場合は、法定相続分に応じて承継します。 

 

□  相続財産に漏れがあった場合に備えて、「その他前条記載の財産を除く私の有する一切の財産は、○○○○に相続させます。」の一文を入れる方法があります。

 

8. 遺言書に書いて強制力即ち法的拘束力があるものは限定されます

 

9. 法的な効力、拘束力はありませんが、付言事項を積極的に活用し、遺言を書いた理由(わけ)や、自分が亡くなった後の希望などを述べ、誤解によるわだかまりを残さないようにしましょう。

 オススメの付言事項は、遺言を書いた理由(わけ)、家族に対する感謝の言葉 、相続の割合を法定相続分と違えた場合はその理由、遺留分を侵害する場合はその理由、寄与分の希望がある場合はその理由です。

※ 公正証書遺言に、家族に伝える自筆のメッセージを、「付言事項」として、別紙で付けることができます。公正証書の一部になります。

 

10. 遺言執行者を必ず指定しなければならない遺言

①遺言で認知をする場合、②遺言で相続人の廃除をするとき、遺言で続人の廃除の取消をするとき

 

11. 遺言執行者を指定しておいた方がよいケース

 

① 相続人等間の利害が対立するような遺言 

② 遺言で内縁の妻へ特定遺贈をする 

③ 遺言で生命保険金受取人を変更する

④ 相続人以外の第三者に不動産の遺贈をする

 不動産の登記は、遺贈」の場合は単独ではできず、 相続人全員(または遺言執行者)と共同ですることが必要です。 

⑤ 遺言で不動産や預貯金、有価証券を複数の人に相続する 

⑥ 相続人や受遺者が多数 

⑦ 遺言により一般財団法人を設立する

 

11. 遺言執行者を専門家以外に指定する遺言では、遺言執行者の権限について具体的に記載しておくと、銀行関係等の手続きがスムーズに進むことが期待できます

 遺言執行者が遺言者と年齢が近いなど、遺言執行できなくなることが想定される場合は、「遺言執行の第三者への委任事項」記載しておくと安心です

 

12. 遺留分とは、法律が保証している最低限の相続分です。相続人には遺留分相当の財産を相続させるのが原則です。

 主な財産が住んでいる建物・土地だけで、夫が亡くなった後も妻がそこに住むケースのように、妻以外の相続人の取り分を遺留分割合以下にしなければならない事情があるときは、遺留分を侵害することもやむを得ません。ただし、その場合には、「遺言書の付言」に具体的な理由を明確に書き、争いが起こらないような配慮が必要です。

 

13. 遺言条項間で矛盾・抵触はないか

 

14. 遺言の撤回方法は、前の遺言を取り消す旨の記載をした、新たな遺言書を作る方法が最も明快確実な方法です。

 


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