遺言の撤回

~遺言の撤回、遺言を撤回したとみなされる場合、遺族による遺言の取り消し~

 

□ 遺言を撤回するときは、新たな遺言により前の遺言を撤回する方法が最も明快確実な方法です。

 

□ 「妻〇〇に〇〇を相続させます。」と遺言した後に離婚した場合、この遺言は撤回されたものと解されます。

 

□ 遺言の撤回の撤回

 第1の遺言を撤回した第2の遺言を更に撤回しても、第1の遺言は復活しません。最初の遺言を復活させたいときは、改めて最初の遺言と同じ内容の遺言をする必要があります。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 遺言の撤回

 

□ 民法の条文上は「遺言の取消」となっていますが、ここでいう取消は、有効に作成されたがまだ効力の発生していない遺言について、将来におけるその効力の発生を阻止する遺言者の行為、即ち「撤回」です。 

 

□ 遺言の撤回・変更は、原則として自由にできます。遺言者はいつでも遺言の全部又は一部を撤回・変更することができます。 

 

□ 遺言の撤回・変更は、遺言の方式に拠らなければなりません。(前の遺言の方式でなくてもよいとされています。) 

 

□ 遺言者は、撤回権を放棄することはできません。

 

 

2. 法定撤回   

 

□ 遺言者が下記のような「遺言に抵触するような生前行為等をした」場合は、生前処分と抵触する部分は遺言を撤回されたことになります。(法定撤回)

 

① 遺言者が「目的物を故意に破棄した」場合は遺言を撤回されたことになります 

■ 破棄した部分のみが撤回されたことになります。  

 

② 遺言者が「目的物を売却した」場合は遺言は撤回されたことになります 

■ 売却した部分のみが撤回されたことになります。 

 

※ 遺言で財産承継の方法を指示した場合であっても、その後、その「遺言内容と異なる生前処分」を行うことは自由です。

 

③「〇〇に〇〇を相続させます。」と遺言した後に離婚した場合、この遺言は撤回されたものと解されます。

 

 

2. 撤回の撤回

 

□ 撤回が繰り返されると、遺言者の意思がさらに明確でなくなり、それを巡る紛争が生じやすい等の理由から(小池信行(監修)・吉岡誠一(著)( 2015)『これだけは知っておきたい 相続の知識 』日本加除出版.147頁)、遺言のみを撤回する遺言で第1の遺言を撤回した第2の遺言を更に撤回しても、第1の遺言は復活しません。

□ 最初の遺言を復活させたいときは、改めて最初の遺言と同じ内容の遺言をする必要があります。

 

 

3. 遺族による遺言の取り消し

 

□ 遺言が詐欺や強迫によりなされたときは取り消すことができます。相続人も取り消すことができます。取り消された場合、遺言の効力は失われます。

 

□ 遺言の取り消しは詐欺・強迫の立証が必要です。 

 

□ 遺言者は、撤回の遺言をすれば取り消しと同じ効果を得ることができます。 

■ 認知症等で遺言能力を失ってしまったら、撤回の遺言はできません。

 


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