遺言による遺産分割の実行の指定、実施方法の指定

□ 遺産分割の実行の指定とは、どの財産を誰に相続させるか指示することです。遺産分割の実施方法の指定とは、代償分割、換価分割、共有を指示することです。

 

□ 親と子が同居し主な遺産は自宅の土地と建物だけの場合は遺産分割が難しいケースです。共有は後で問題が起きる可能性が高いので、同居している子に自宅の土地建物を相続させ、他の子には法定相続分のお金を払う代償分割の指定を検討します。

 

□ 遺産の分割で不動産を共有にした場合、建て替えや持ち分の売却には相続人全員の合意が必要となります。また、その後の相続で共有者はどんどん増えてゆきます。たとえ多少不平等になっても共有は避けるのが無難です。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 現物分割

 

 相続人一人ひとりに現物のまま分配する方法です。たとえば、自宅及び現金は妻に、農地は長男にというふうに、一つひとつの財産について取得者を決めます。なお、土地を分筆して分ける場合も現物分割と呼びます。 

 この方法はとても分かりやすい方法ですが、財産の価値がそれぞれ異なるので相続分どおりに分けることが難しく、不公平が出てしまうという欠点があります。

 相続人それぞれに欲しい財産があるや、他人に渡したくない財産がある場合、それぞれの相続分に応じうまく分けられれば最良の方法です。   

 なお、現物分割が原則的な分割方法とされています。(258条2項)。

 

 

2. 代償分割 

 

 代償分割は現物は相続人の一人に取得させ、他の相続人には不足分を代償金として金銭で支払う方法です。

 相続財産が居住する不動産、農地、事業用不動産の場合はこの方法が適しているケースが多いと言えます。 また、不動産など物理的に切り分けることによって価値が下がってしまう場合はこの方法を検討します。

 代償分割は柔軟な分割をすることができますが、その人に代償金を支払う資力があることが必要です。

 

 

3. 換価分割(価格分割)

 

 相続財産を未分割のまま売却し現金化して分割する方法です。現物分割が困難であり、代償分割もできない場合この方法によります。 

 この方法は公平に分けることができますが、相続財産に住んでいる相続人がいる場合は新たに住まいを探さなければならないという問題や、処分費用がかる、売却益に所得税が課せられることがあるという欠点があります。 

 遺言で換価分割の指示を行うことによって、遺贈の実質的な効果を変えることなく相続手続きや不動産の売却手続きの手間や費用を軽減できます。

 

 

4. 共有分割

 

 土地などを共有にし、持ち分で分ける方法で現物分割の一種です。自己の所有権である「持分の範囲」であれば、自らの持分を自由に譲渡、処分することができます。また、自らの持分を他の共有者または第三者に売却することも自由です。 

 持ち分を超えた短期の賃貸借契約などの管理行為は、持ち分の過半数で決定します。(民法252条)

 売却、改築、形状変更等の処分・変更行為は共有者全員の同意が必要です。(民法251条)

 共有物への第三者の不法行為に対し交渉することや提訴することなど保存行為は単独でできます。(民法252条但し書き) 

 

 住宅は相続人全員で合意すれば、相続登記をすることなくそのまま住み続けることができます。ただし、相続登記が済んでいないと売却手続きはできません。


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