遺言における形式面での禁止規範

□ 遺言はその効力発生後、遺言者の真意を確認することはできないことから、遺言者の真意に出たものであることを担保し、解釈について混乱が生じないよう、厳格な要式行為とされています。

民法960条(遺言の方式)

遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。  

民法968条(自筆証書遺言)

1 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全文又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。 

民法975条(共同遺言の禁止) 

遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 法の定める方式に違反している遺言は無効です

 

 遺言の方式による制限として、

①遺言者の国籍その他の人的資格による遺言の方式の制限、

②証人が有するべき資格による制限、

③書面によらなければならないか否かによる制限、

③書面はだれがどのような方法で記載するかによる制限、

④口答による遺言の場合、記録の要否による制限、

⑤証人の立ち合いの要否による制限、

⑥証人の人数による制限、

などがあります。

 

(1) 自筆証書遺言の方式 

 

ポイント 【自筆証書遺言の有効4要件】

 

① 全文を自書する

 

 民法改正(30.7.13公布)により、2019年1月13日から、本文を自筆で書けば、相続財産目録はパソコンで作ることができるようになりました。また、不動産の登記事項証明書や預貯金通帳のコピーの添付でもよいようになりました。(民法968条2項)

 

詳しくは、 《  パソコン等によろ自筆証書遺言の作成 をご覧ください。

 

② 日付を自書で記載する

③ 自署、捺印する  

 

④ 加除、変更は定められた方式による 

 

ポイント 詳しくは 》 自筆証書遺言の加除訂正の仕方 》 自筆証書遺言の体裁及び封入の仕方 をご覧ください    

 

(2) 「証人欠格」の遺言書の効力

 

 未成年者、推定相続人(将来、相続人になる人)、受遺者(遺言で財産をもらう人)並びに推定相続人・受遺者の配偶者及び直系血族は証人になれません。また、証人の署名の代筆は、できません。 証人欠格の遺言は無効です。

 

2. 遺言代理禁止の原則 

 

 今は意識不明だが、意識があるときに言っていたとして、他の誰かが代理で遺言をすることは禁止されています。 遺言は代理に親しまない法律行為とされ、代理遺言は無効です 。

 

3. 共同遺言の禁止の原則(民法975条)

 

□ 共同遺言とは、2人以上が、同一の証書で連名で遺言をすることです。

□ 共同遺言の例として、夫婦連名でする遺言があります。

□ 共同遺言は無効です。遺言は、必ず一人ひとりでしなければなりません。 

 

 共同遺言は、一人で撤回変更ができなくなるなど、遺言者の最終意思の実現ができなくなる不都合があるからです。 

 

 ~夫婦で同一の書面で遺言することはできません~

 

4 遺言無効確認請求訴訟における立証責任

 

 遺言書が方式を欠く「方式違背の遺言」である等、遺言の成立要件に関する立証責任は、遺言書が有効であると主張する側にある、と考えられています。 


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