とくに遺言を残しておくべきケースと相続のポイント

□ 妻は既に亡くなり、相続人に複数の子どもがいる

□ 再婚相続人は後妻とその子及び、先妻の子がいる

□ 推定相続人に認知症がいる、またはそのおそれがある

□ 内縁の妻がいる

□ 息子が先に亡くなり、相続人に孫がいる 

□. 同居している子と別居の子がいる 

□ こどもがいないきょうだいは既に亡くなって代襲相続人(甥・姪)がいる 

 子どもがいない。相続人は配偶者と被相続人の きょうだい    

□. 認知した子がいる  

□ ひとり親で未成年の相続人がいる 

□ 相続人が多い相続人同士の関係がうまくいっていない相続人同士が離れ離れに住んでいる、普段あまり会っていない   

□ 海外等遠くに住んでいる相続人がいる  

□ 行方不明の相続人がいる   

 

□. 妻に財産をすべてあげたい 

□ 相続人のうちの一人だけが面倒を見てくれた

□ 法定相続割合以外で財産をあげたい

□ 長男の嫁に財産をあげたい  

□ 孫に財産をあげたい

 

□ 認知していない子に財産を遺贈したい

□ 相続させたくない相続人がいる     

 

□ 相続財差が土地と中古住宅のとき、相続はもめます。遺言書が必要です。

□ 遺産に多くの不動産がある

□ 遺産が不動産だけ

□ 借金がある、連帯保証人になっている

□ 共有になっている土地がある

□ 相続人それぞれにあげたい特定の財産がある     

□ 家業を継ぐ子に事業の基盤を残したい  

□ 遺言に家を相続させると書いたが、建て替えた 

□ 生前贈与、特別受益がある

□ 相続税が高そう 

□ ペットの面倒を見てほしい


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

似顔絵

1. 独身で、子どもがいない 

 

□ 子どものいないおひとりさまは、①親や祖父母など直系尊属が生きていればそこに、②亡くなっていたら、きょうだい、③きょうだい が亡くなっていたら、甥・姪が相続します。

・ 親や祖父母など直系尊属が亡くなっている場合、「きょうだい」や甥・姪には遺留分はないので、遺言書を書けば財産は自由に処分できます。 

・ きょうだい もいない場合で相続人の分らないときは、財産は国庫に帰属します。国庫に納める代わりに遺言で「特別縁故者」に財産を遺すことができます。 

□ 法定相続人がいなくても、財産の処分、亡くなった後の整理や葬儀のことなど遺言は必要です亡くなった後の整理や葬儀のことをやってもらうことを条件に遺産の一部をあげる、「負担付遺贈」の遺言をすることができます

□ 亡くなった後の整理や葬儀のことは 》死後の事務委任契約 を結んでおくけば確実に実行されます。

 

■ 死後の手続き(例)

①親戚、友人、知人への死亡の連絡

②死亡診断書の依頼、死亡届の提出・埋葬許可書の申請

③遺産の確認

④病院・施設への支払い等

⑤葬儀の手配、埋葬、年忌法要

⑥家財道具の片づけ、個人情報の処理

⑦賃貸住宅の返還手続き

⑧健康保険の届け出、保険の届け出

⑨自動引落し、携帯電話、各種クレジットカード等の解約、免許証・パスポート返納

⑩スマホ、パソコン関係 

・メール、ホームページ、ブログの閉鎖、インターネット契約の解約

・ネット銀行口座の解約

・ネット有料サービス解約

・SNS解約

   

■ 遺言と合わせ、認知症などに備え  》任意後見契約  を結び、介護や財産管理を頼んでおくと安心です。  

 

2. 子どもがいない夫婦

 

□ 子どもがいない夫婦の場合、必ず、夫に遺言書を書いてもらいましょう。夫が先に亡くなると、義父母や夫のきょうだい等に遺産分割を要求され、妻は住んでいる家を手放さなくてはならなくなることがあります。

 

□ 遺言の内容は、相続人の状況、相続財産の状況、妻の希望により異なります。 

 

□ 子どもがいない夫婦のケースでは、一般に遺産の受取人として妻を指定します。妻の死後、その財産がどこに行くかは、後継ぎ遺贈として指定できます。また、家族信託は、二次相続の財産の承継順序も指定できます。

 

3. 内縁の妻がいる 

 

□ 事実婚や夫婦別姓の場合、妻に相続権はありません。「夫」が亡くなった途端に子どもに冷たくされ、自分の家に入れてもらえなくなる例もあります。甥や姪から「正当に」遺産分割を要求され、家に住み続けることができなくなる恐れがあります。 

 

4. 妻は既に亡くなり、相続人に複数の子どもがいる  

 

□ 相続でもめるのは、親の重しがなくなったときです。遺言を書き、遺産分割でのもめ事をあらかじめ防いておきましょう。  

 

5. 息子が先に亡くなり、相続人に孫(代襲相続人)がいる  

 

 □ 子どもと孫(代襲相続人)が対等の立場で遺産分割協議をしてもまくいかないことが多いと言われています。遺言で意思を明示しておく必要があります。

 

6. こどもがいない。きょうだいは既に亡くなって甥・姪(代襲相続人)がいる 

 

□ 甥・姪(代襲相続人)に遺留分はありません。遺言で甥・姪(代襲相続人)が遺産分割協議に加わり複雑化するのを防ぐことができます。  

 

7. 同居している子と別居の子がいる 

 

□ 土地・建物は同居して世話をしてくれている子に相続させ、別居の子には預金を相続させます。(別居の子の相続分が不足する場合は代償金でバランスをとります。代償金がないときは付言事項に理由を明記します)

□ きょうだい が対等の立場で遺産分割協議をしてもまくいかないことが多いと言われています。遺言で親の意思を明示しておく必要があります。 

 

8. 認知した子がいる  

 

□ 認知された子については きょうだい として認めたくないという人もいます。トラブルを避けるため、遺言で財産の相続を明示しておきます。 

 

9. 再婚し相続人は後妻とその子及び、先妻の子

 

□ 義理の親子の関係は微妙です。亡くなった後のことを想像し、遺言を残しておきます。 

□ 後妻の子は、後妻が夫から相続する財産を後妻の死後、後妻からも相続することを考慮して、先妻の子と後妻の子の相続分を実質的に公平にする遺言をします。

 遺言で遺言執行者に後妻に指定しておくことも重要です。 

 

10. 相続人が多い相続人同士の関係がうまくいっていない相続人同士が離れ離れに住んでいる、普段あまり会っていない  

 

□ 相続人同士のコミュニケーションが希薄になっていると、相続のトラブルが起きやすくなります。遺言書がないと、遺産分割協議がまとまりにくくなります。 

 

11. 推定相続人に認知症がいる、またはそのおそれがある

 

※ 認知症の場合、遺産分割協議する場合は家庭裁判所に成年後見人の選任の申し立てを行い、その後見人を含めて行う必要があります。  

※ 遺言がある場合及び「法定相続分で相続」する場合は遺産分割協議での合意は不要です。 

 

□ 自分の死後、認知症、またはそのおそれがある人のお世話をお願いする 方法

① 財産を、信頼できる人に「遺贈」(あるいは「死因贈与」)し、お世話をお願いする。

② 「遺言信託」し生活費や看護療養費等を給付してもらう。

 この場合、併せて自身の「任意後見契約」を結び、この中で、財産管理権の一環として、財産の中から毎月の生活費を支出するよう委任することもできます。 

 

12. 遺言者の死後が心配な人が相続人にいる 

 

(ひとり親で未成年の相続人がいる)

 

□ ひとり親の場合など、自分の死後、未成年者の親となるべき人がいなくなってしまう場合は、「未成年後見人」を遺言で指定しておくことをおすすめします。  

 

□ 未成年者については、遺産分割協議に法定代理人」の参加が必要です。

 通常、親権者が代理人となります。親権者もまた相続人のときは、「特別代理人」が必要となります。家庭裁判所に特別代理人選任の申し立てを行い、特別代理人を含めて遺産分割協議を行う必要があります。

 複数の子がおり、その子らの間で利益が相反する場合は、親権者が両方の子を同時に代理することはできません。家庭裁判所に一方の子の特別代理人選任の申し立てを行う必要があります。 

 

 

13. 海外等遠くに住んでいる相続人がいる 

 

□ 海外等遠くに住んでいる相続人がいる方は、電話等で協議を行い、合意した遺産分割協議書を送って署名押印してもらう方法があります。 

 海外に住んでいる場合は印鑑証明書は居住国の公証人からサイン証明をもらい印鑑証明書に代えます。

□ 海外等遠くに住んでいる相続人がいると遺産分割協議が大変です。遺言をしておけば遺産分割協議は不要となり、相続手続きがスムーズに運びます。 

 

14. 行方不明の相続人がいる 

 

□ 行方不明者も法定相続人となります。遺産分割協議をするには家庭裁判所に申し出て相続財産管理人を選任してもらい、その相続財産管理人の参加を得て行う必要があります。

 相続財産管理人選任には、相続財産が少ない場合は、申し立て費用とは別に予納金(相続財産管理人選任等の費用)が数十万円~100万円程度必要です。

□ 行方不明者がいる場合は、遺言に行方不明者の取り分を明記しておきましょう。行方不明者に子がいるときはその子に遺贈するなどしておけば、遺産分割に支障がでるのを防ぐことができます。  

 

15. 相続させたくない相続人がいる 

 

□ 相続人廃除は、遺言によって行うこともできます。 

 

16. 遺産に多くの不動産がある。

 

□  誰でも条件のいい物件が欲しいに決まっています。 話し合いではまとまりません。遺言が必要です。  

 

17. 遺産も多いが借金も多い

 

18. 主な遺産は不動産(自宅)だけ

 

□ 住み続けなければならない人がいる場合、自宅を各相続人で共有することが考えられますが、そこに住まない人は納得できません。相続はもめます。対策を考えた遺言書が必要です。

 

19. 相続人それぞれにあげたい特定の財産がある    

 

家業を継ぐ子に事業の基盤を残したい ) 

 

□ 主な遺産が自宅兼店舗や農地など家業の事業基盤しかないときは、他の相続人に遺産分割を要求されると、代償金の手当てができない場合、後継者が事業を承継するのが難しくなります。

 

□ 遺言で後継者に自宅兼店舗や株券、農地など家業の事業基盤を一括して与え、家業を継続させることができます。併せて、後継者の配偶者を養子にしておくことも相続対策として有効です。

 

□ 中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律により、遺留分に関する民法の特例制度が創設されました。

 ・ 遺留分権利者の合意といっていの手続きにより、後継者に贈与された自社株式及び一定の財産について遺留分算定の基礎財産から除外することができる。 

 

20. 遺言に家を相続させると書いたが、建て替えた

 

□ 遺言書の作り直しが必要です。

 

21. 生前贈与、特別受益がある

 

□ 遺産の前渡しをした生前贈与(特別受益)は明確にしておきたい。誰に何を(いくら)生前贈与したか、持ち戻し免除をするのかしないのかを遺言で明示しておけば、遺産分割がスムーズに進みます。   

 

22. 妻に財産をすべてあげたい   

 

□ 遺留分は 法律が保証している最低限の相続分ですが、 法律では、遺言で遺留分を侵害してはならないと定めているわけではありません。遺留分減殺請求ができるということにとどまります。

 主な財産が住んでいる自宅の場合は、夫が亡くなった後も妻がそこに住むなどの事情があるときは、遺留分を侵害することもやむをえないでしょう。その場合は「遺言書の付言」に具体的な理由を書くなどして、遺留分減殺請求が起こらないような配慮をしておくことが重要です。「遺言書の付言」に強制力はありませんが、相続人の理解を得ることに役立ちます。  

□ 先妻の子の遺留分は侵害しないのが無難です。 

□ よく見られる例として、父親が亡くなったら母親にすべて相続させる、という遺言があります。いずれ財産はすべて子どものところに行くのだから、今無理して分けることはない、というのが主な理由だと考えられます。 しかし、片方の親が健在のときは、親の重しもあり、子は言いたいことも控えるという傾向がありますが、両親がいなくなると親の重し親の重しがなくなり、兄弟げんかが始まり争族になることがままあります。母親からの二次相続についても、母親に遺言書を用意させるなど、対策を講じておくことが必要です。

 

23. 長男の嫁が介護をしてくれた世話になった長男の嫁に財産をあげたい 

 

□ 寄与分の無い相続人は取り分が減ることになります。中々合意は難しでしょう。寄与分(子の場合。長男の寄与分とまります)はあてになりません。長男の嫁に財産をあげたいのであれば遺言書が必要です。

 

※(参考)法務省国会に民法改正案を提出 亡くなった息子の妻などが介護などに尽力した場合、相続人に金銭請求が可能に 出典(2018.1.17朝日新聞1頁2頁)

 

24. 孫に財産をあげたい

 

□ 未成年の孫に財産をあげたいが、親に管理させたくないときは、遺言中にその旨を明示しておきます。

 


ポイン トここがポイント

□ 相続人に「配偶者」がいると遺産の取り合いになってしまうことがあります。 

□ 遺言書は認知症になってしまってから書いても効力がありません。あまり年齢が行ってから遺言を書くと、遺言能力がなかったのではないかと疑いを持たれるおそれも。

□ 物忘れが始まると、使ってしまった預貯金をあるものと思って書くなど、矛盾のある遺言を書く恐れがあります。

□ 年を取ると誰でも病気がちになりやすく、遺言を書く機会が少なくなります。

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