遺留分を侵害する遺言

□ 遺留分とは、遺言で遺贈した財産を相続人が法定相続分の一定の割合まで取り戻すことができる権利のことです。

 法律では遺留分を侵害してはならないと定めているわけではありません。遺留分さえもらえなかった相続人は遺留分割合に達するまで相続財産を取戻すことができる、と言っているだけです。

注意事 項 民法改正(30.7.13公布、施行は2年以内)により、死亡前にされた相続人への生前贈与(特別受益)のうち死亡前10年間にされたものに限り、遺留分を算定する為の財産の価額に算入するようになります。

 

注意事 項 遺留分減殺請求は、遺留分侵害の現物でしか返還を求めることができなかったため、不動産の場合、共有にするしかありませんでしたが、民法改正(30.7.13公布、施行は2年以内)により、現物ではなく金銭で支払うことができるようになります。事業承継の場合の自社株については、現物ではなく金銭で支払うことができるようになります。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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1. 遺留分、遺留分の減殺、遺留分減殺請求権とは

 

 遺留分とは、法律が保証している最低限の相続分です。相続人には遺留分相当の財産を相続させるのが原則です。 

 遺留分の減殺とは、遺留分を侵害してなされた遺贈や相続、生前贈与等の効力を取り消して相続財産を取り戻すことです。この遺留分侵害の回復を請求する相続人の権利を「遺留分減殺請求権」といいます。

 

 

2. 遺留分を侵害されたときはどうする

 

 亡くなった人が遺贈や生前贈与等を多くあげすぎたため、ある相続人が遺産から受ける利益の価額が遺留分額を下まわる場合、すなわち、遺留分を侵害されたときは、その差額を限度として「遺留分減殺請求権」を行使できます。

 

 

3. 遺留分を侵害する遺言はしてもいいのか

 

 法律では遺留分を侵害してはならないと定めているわけではありません。遺留分さえもらえなかった相続人は遺留分割合に達するまで相続財産を取戻すことができる、と言っているだけです。

 したがって、遺留分の侵害の是非は事情により異なります。

 

□ 遺留分に反した指定がされた場合の効力に関しては、遺留分の規定に反する相続分の指定も当然に無効となるのではなく、遺留分権利者の減殺請求

に服せしめられるにすぎない、とする説が通説とされています。(出典:小池信行(監修)・吉岡誠一(著)( 2015)『これだけは知っておきたい 相続の知識 』日本加除出版.47頁) 

 

 

4. 遺留分侵害もやむを得ない事情とは

 

 例えば、主な財産が住んでいる自宅の建物・土地だけの場合、夫が亡くなった後も妻がそこに住み続けるには、妻以外の相続人の取り分を遺留分割合以下にしなければなりません。

 こうした事情があるときは、遺留分を侵害することもやむを得ません。

 ただし、その場合には、「遺言書の付言」に具体的明確に理由を書き、相続時に争いが起こらないような配慮が必要です。遺言書の付言に強制力はありませんが、相続人の理解を得、争いを防ぐことが期待できます。

 

 注意事 項 民法改正(30.7.13公布、施行は平成30年7月13日から2年以内)

□ 「配偶者居住権」が創設されました。「配偶者居住権」とは、配偶者が相続開始の時に居住していた建物に、死亡まで無償で使用できる権利です。

 これまでは、配偶者が住んでいる家を相続した場合、預貯金などはあまり相続できませんでしたが、これからは、配偶者居住権は所有権よりも評価額が低いため、その分預貯金を多く相続することができます。

 

□ これまでは、結婚期間が20年以上の夫婦間で行った居住用不動産の生前贈与・遺贈については、相続の時にこれも遺産に加えて相続分を計算する(特別受益の持ち戻し)必要があったが、これからは、遺産分割の対象から除かれ、相続時に遺産として計算しなくてもよい(特別受益の持ち戻しをしない)ことになった。(この部分は施行は平成30年7月13日から1年以内) 

 


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