強制力のない遺言事項・無効な遺言事項

 

□ 「付言事項」に強制力はなく、遺言通り実行するかどうかは相続人の判断に任されます。家族等に遺言者の考えを伝えるメッセージとして有用な場合があります。遺言書の最後に書き加えます。

 

□ 遺言には、婚姻や養子縁組に関することなど、書いても無効です。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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行政書士は街の身近な法律家

 1⃣ 強制力のないもの= 付言事項(遺言通りにするかどうかは、相続人の判断に任されます) 

 

□ 付言事項とは、遺言書に書く、家族に伝える愛のメッセージです。法的な効力、拘束力はありません。付言事項の内容については、法律上、特に制限はありません。

□ 詳しくは、》付言事項 をご覧ください。

 

1. 「寄与分」に関すること

 

□ 寄与分は遺産分割協議によってのみ決められるものです。遺言に寄与分ないし寄与の事情を書いても、あくまで付言事項であり、法的拘束力はなく、相続人同士の協議における判断材料にとどまります。遺留分減殺請求権の行使を制限する法的効果は生じません。

 確実にあげたいのであれば遺言書で「遺贈」するなどが必要です遺言に書いても法的な効力はなく、相続人同士の協議における判断材料にとどまります。 

 

※ 遺言者が寄与分について希望がある場合は、付言にその理由を書くことによって相続人同士の協議において理解が得やすくなると思います。

 

2. 介護に関すること、尊厳死、「献体」「臓器提供」、葬儀についての希望、散骨やお墓に関すること

 

□ 介護に関すること、尊厳死に関すること、「臓器提供」に関することは、生前に知らせておかないと実現は困難等の理由から、基本的に遺言になじみません。

 どうしても遺言書に書いておきたい事情がある場合は、合わせて  》エンディングノート にも書くなどするとよいでしょう。

 

□  介護に関することについては「任意後見契約公正証書」、尊厳死については「尊厳死宣言公正証書」、臓器提供については「臓器提供に関する公正証書」の形で決めておくことができます。

 

※ 平成21年の臓器移植法改正により、本人の意思が不明の場合でも、遺族の承諾により臓器移植できることになりました。

 

□ 葬儀の方法や散骨、お墓に関する希望は、実行することを遺贈又は相続させる遺言の負担と位置づけることによって、相続人らを法的に拘束することが可能となる(出典:NPO法人 遺言・相続リーガルネットワーク( 2017)『改訂 遺言条項例300&ケース別文例集』日本加除出版.254頁)

 

※ ただし、遺贈の場合、受遺者は遺贈を拒否し負担を実行しないことができます。確実に実行してもらいたい場合は、負担付死因贈与契約を結んでおくことが必要です。ほかに死後事務委任契約、信託契約による方法があります。 

 

3. ペットの世話に関すること

 

□ ペットの世話を依頼することは、法定遺言事項にはあたらず付言事項であり、世話をしてくれる保証はありません。

 

※ ペットの世話を負担付遺贈の負担と位置付ければ法定遺言事項になります。ただし、ペットの世話という負担の履行がなくても遺贈は有効です(相続人に取消請求権が発生します)。 受遺者は遺贈を放棄し負担を履行しないことができます。引き受ける方の承諾を得ておく必要があります。

 

※ ペットの世話を必ず実行して欲しいときは、「 》 死因贈与契約 」を結ぶことをおすすめします。

 

※ 「認知症になったら、ペットの世話を頼みたい」と考えている場合は、「任意後見契約」を結びペットの世話を依頼する「準委任契約」を記載する方法があります。

 

  

2⃣ 書いてはいけない事項(無効になります) 

 

1. 「公序良俗に反する遺言」は無効です

 

□ 「公序良俗に反する遺言」とは、社会通念に反する事項や犯罪になるような事柄を内容とした遺言のことです。

 

□ 個人の自由を極度に制限するもの 例えば、「再婚しないことを条件に遺贈する」遺言は、無効となります。 

 

 

2. 「婚姻や離婚、養子縁組に関する遺言」は無効です

 

 □ 当事者の合意が必要なことがらについては、遺言しても法的拘束力はありません。  

 負担付遺贈で負担の内容として婚姻や離婚、養子縁組を定めても負担としては無効です。

 

□ 例えば、「死後離婚する」「死後養子縁組を解消する」遺言は、無効となります。 

 


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