遺言条項例61


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埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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ポイント 取り扱い業務

□ 遺産分割方法の指定

 

※ 遺産分割協議をしないで直ちに物権的承継効果を生じさせる場合は、「相続させる」遺言とする。

 

 

 (現物分割)

 

文例1 (不動産・預貯金を現物分割で遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

1.遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に次の財産を相続させる。

(1)遺言者の有する全不動産

(2)遺言者名義のAB銀行〇〇支店定期預金  

   口座番号△△△△△の預金全額と利息全額 

 

2.遺言者は、長女○○○○(昭和△△年△月△日生)に次の財産を相続させる。

  遺言者名義のCD銀行〇〇支店定期預金  

  口座番号△△△△△の預金全額と利息全額 

 

3.遺言者は、次女○○○○(昭和△△年△月△日生)に次の財産を相続させる。

  遺言者名義のゆうちょ銀行の定額貯金  

  記号△△△△の貯金全額と利子全額

 

  預貯金は、

  金融機関 AB銀行〇〇支店

  種類   定期預金

  口座番号 △△△△△

  名義人

 

文例2  (株を現物分割で遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、遺言者名義の株式会社〇〇の△万株(〇〇証券〇〇支店に預託*遺言者保管の株式は遺言者保管分と記載)を次のとおり相続させる。

 長男○○○○ (昭和△△年△月△日生)△万株 

 二男○○○○ (昭和△△年△月△日生)△万株

 

文例  (国債・投資信託を現物分割で遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に遺言者名義の次の財産を相続させる。

 

(1)十年利付国債(平成△△年△月△日発行)

   額面 △万円

   ○○証券○○支店 保護預かり     

(2)投資信託 ○○ファンド

  (償還日 △△年△月△日)△万口

   ○○銀行○○支店 預託

 

文例3 (不動産の持分を現物分割で遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に次の財産の共有持分の一切を相続させる。

 

(土地共有持分)              

 所在地   〇〇市〇〇 

 地番    △△△番地△ 

 地目    宅地

 面積    △△△.△△平方メートル

 遺言者の共有持分 2分の1

(建物共有持分)

 所在地   〇〇市〇〇 

 家屋番号  △△番△   

 構造    木造瓦葺二階建

 床面積   一階 △△.△△平方メートル

       二階 △△.△△平方メートル

 遺言者の共有持分 2分の1

 

文例4 (区画整理事業地内の不動産を現物分割で遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

① 土地

 〇〇市〇〇土地区画整理事業し施行地域内の次の土地

(従前の土地の表示)              

 所在地   〇〇市〇〇 

 地番    △△△番地△ *住居表示ではなく、登記簿謄本どおりに書く。

 地目    宅地

 地積    △△△.△△平方メートル

(仮換地の表示) 

 〇〇市〇〇土地区画整理

 街区番号 〇〇

 仮地番  〇〇

 地積    △△△.△△平方メートル

 

② 建物

 所在地   〇〇市〇〇 

(仮換地 〇〇市〇〇土地区画整理 〇〇街区 予定地番〇〇)

 家屋番号  △△番△ 

 種類    居宅  

 構造    木造瓦葺二階建

 床面積   一階 △△.△△平方メートル

       二階 △△.△△平方メートル 

 

文例5 (全遺産を現物分割で複数人に遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、遺産を次の割合で分割するよう定める。

  妻 ○○○○  (昭和△△年△月△日生) 全不動産

  長男○○○○ (昭和△△年△月△日生) AB銀行の預金債権全て

  長女○○○○ (昭和△△年△月△日生) CD銀行の預金債権全て

  次女○○○○ (昭和△△年△月△日生) EF銀行の預金債権全て

 

 その余の財産は、妻〇〇〇〇に相続させる。」

  

文例6 (全遺産を現物分割で1人に遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、その相続開始時に有する財産の全てを、妻である○○○○(昭和△△年△月△日)に相続させる。

 

文例7 (全遺産を現物分割で複数人に遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、次のとおり遺産分割方法を指定する。

(1)妻○○○○(昭和△△年△月△日生)に下記の不動産を相続させる。

(土地)              

 所在地   〇〇市〇〇 

 地番    △△△番地△ *住居表示ではなく、登記簿謄本どおりに書く。

 地目    宅地

 面積    △△△.△△平方メートル

(建物)

 所在地   〇〇市〇〇 

 家屋番号  △△番△   

 構造    木造瓦葺二階建

 床面積   一階 △△.△△平方メートル

       二階 △△.△△平方メートル

 

 上記家屋内の遺言者名義の什器、備品等一切の動産

 ※ 家財道具などが対象か否か紛争にならないよう明示する。  

 

(2)長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に遺言者名義の下記の財産を相続させる。

                 記

〇〇株式会社株式(〇〇証券〇〇支店に預託)△△万株

十年利付国債(平成△△年△月発行)額面△△万円(〇〇証券〇〇支店保護預)

投資信託〇〇ファンド(償還日平成△年△月△日)△万口(〇〇銀行〇〇支店預託)

 

(3)長女○○○○(昭和△△年△月△日生)に下記預金債権を相続させる。

                 記

〇〇銀行〇〇支店に対する遺言者名義の定期預金(口座番号〇〇〇〇)のうち△△△万円

 

(4)その他前条記載の財産を除く遺言者の有する一切の財産は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に相続させる。

 

文例8 (全遺産を現物分割で1人に遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、その相続開始時に有する財産の全てを、妻である○○○○(昭和△△年△月△日)に相続させる。

 

文例 (全遺産(マンションの一室)を現物分割で遺贈)

 

(一棟の建物の表示)

 所在地    〇〇市〇〇 △△△番地△ 

 建物の番号  〇〇マンション

 

※ 区分建物の一棟の建物の表示は、登記事項証明書に建物の名称がある場合、構造及び床面積の記載を省略できる。

 

(専有部分の建物の表示)

 家屋番号   〇〇市〇〇 △△番△ の △△△

 建物の番号  △△△

 種類     居宅

 構造     鉄骨鉄筋コンクリート造 壱階建

*何階建てのマンションでも専有部分が1階なら1階建と記載する。

 床面積    △階部分 △△・△△平方メートル

 

(敷地権の表示)

 所在及び地番 〇〇市〇〇△△△番地△

 地目     宅地

 地積     △△△.△△平方メートル

 敷地権の種類 所有権

 敷地権の割合 △△△△分の△△

 

※登記事項証明書(未登記の場合は固定資産税課税台帳登録証明書)のとおりに記載します。

※マンションの場合は、一棟の建物、専有部分、敷地権の項目を登記事項証明書のとおりに記載します。

 

文例9 (預貯金を現物分割で複数人に遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

  

 遺言者は、その有する次の預貯金を、長男○○○○、長女○○○○に、2分の1ずつの割合で相続させる。

 

           預貯金の表示(略)

 

 

(換価分割)

 

文例10 (不動産・株式を換価分割で複数人に遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言執行者は、遺言者がその相続開始時に有する次の財産を売却若しくは解約し現金化して、長男○○○○、長女○○○○に、3分の1ずつの割合で相続させる。

(1)遺言者の有する全不動産

(2)遺言者名義の株式会社〇〇の△万株(〇〇証券〇〇支店に預託)

 

 

(代償分割)

 

文例11 (不動産を代償分割で複数人に遺贈する)(「相続分の指定」にもなる)

 

 遺言者は、遺言者が相続開始時に有する土地・建物を長男○○○○相続させる。ただし、長男○○○○は、土地・建物をを相続する負担として、すべて換価し、その換価代金から公租公課及び、不動産仲介手数料等の換価に伴う諸税諸費用を控除した残金から、長女○○○○、次女○○○○にそれぞれ500万円ずつ代償金として支払う。

 

 

□ 相続分の指定(割合を指定する。死亡後、遺産分割協議が必要になります。) 

 

文例12 (全財産を複数人に相続分の指定をする)

 

 遺言者は、その相続開始時に有する財産の全てを次の割合で次の者たちに相続させる。

  妻○○○○  (昭和△△年△月△日生)4分の3

  長男○○○○ (昭和△△年△月△日生)4分の1

 

※ 指定した割合が、相続分の指定の趣旨ではなく共有持ち分割合のときは、具体的に財産を列挙し、不動産については「各2分の1の持ち分割合による共有とし相続させる」、株式については「AとBに株式数で各2分の1ずつ相続させる」というように書きます。

  

文例13  (全財産を複数人に相続分を指定し包括遺贈する)

 

 遺言者は、次のとおり、相続分を指定する。

  妻 ○○○○(昭和△△年△月△日生)4分の3

  長男○○○○(昭和△△年△月△日生)12分の1

  長女○○○○(昭和△△年△月△日生)12分の1

  次女○○○○(昭和△△年△月△日生)12分の1」

   

 

□ 予備的遺言(遺言者より先にあげる人が亡くなると、無効になります。予備的に次の人を指定します)

 

文例14 (予備的遺言で次に相続させる人を指定する)

 

 遺言者は、万一、妻○○○○が遺言者より前に又は遺言者と同時に死亡したときは、CD銀行の預金全てを長女○○○○(昭和△△年△月△日生)に相続させ、EF銀行の預金全てを次女○○○○(昭和△△年△月△日生)に相続させ、全不動産とAB銀行の預金を含むその他の金融機関の預貯金の全て及びその他の財産は全て長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に相続させる。

 

文例15 (予備的遺言で次に相続させる人及び遺産分割方法を指定する)

 

 万一、妻○○○○が、遺言者より前に又は遺言者と同時に死亡している場合は、上記規定により同人が取得する予定であった財産を、長女○○○○(昭和△△年△月△日生)及び次女○○○○(昭和△△年△月△日生)及び長男〇〇〇〇(昭和△△年△月△日生)に各3分の1の持分割合による共有として相続させる。

 

文例16 (予備的遺言(補充遺贈)で次に相続させる甥に遺贈する)

 

 万一、妻〇〇〇〇が、私の死亡以前に死亡している場合は、甥〇〇〇〇(昭和△△年△月△日生)を前条による受遺者とします。。

 

□  「後継遺贈」

 

文例17−1 遺言による後継遺贈型信託) 

 

 遺言者は、別紙「信託財産目録」記載の財産を、別紙「遺言信託」記載のとおり信託します。

 

 

文例17−2 (負担付き遺贈の形式による「後継ぎ遺贈」) 

 

 遺言者は、後記不動産を妻○○○○(昭和△△年△月△日生)に遺贈する。ただし、妻○○○○は自分が死亡したときは長男○○○○に後記不動産を移転させる負担を負うものとする。

 

文例18 (期限付き遺贈の形式による「後継ぎ遺贈」) 

 

 遺言者は、後記不動産を妻○○○○(昭和△△年△月△日生)に同人が死亡するまで遺贈する。妻○○○○が死亡したときは長男○○○○に遺贈する。 

 

 æ³¨æ„äº‹ 項 「後継ぎ遺贈」を無効とする学説があります。

 

 

□ 相続人廃除

 

文例19 (相続人から廃除する) 

 

 遺言者は、遺言者の〇男○○○○(昭和△△年△△月△日生)を、(廃除の理由:虐待、侮辱、非行の具体的内容を記載)ので相続人から廃除する。

 

* 遺言執行者を指定します。

* 廃除の理由は具体的かつ簡潔に書きます。

 

 

 □ 相続人の廃除の取り消し

 

文例20 (相続人廃除を取り消す) 

 

 遺言者は、遺言者の〇男○○○○(昭和△△年△月△日生)の相続人廃除を取り消す。

 

※ 遺言執行者を指定します。

 

 

□ 遺産分割の禁止の定め

  

文例21 (遺産全部について分割を禁止する) 

 

 遺言者は、遺言者が死亡してから△年間、遺産全部についてその分割を禁止する。

 

*「遺産分割の禁止」については、付言事項に「理由を書き加える」ことで相続時の混乱の予防に配慮することが必要です。

 

 

□  特別受益者の相続分の指示

 

(1)「生前贈与による特別受益の持ち戻しの免除」 

 

文例22 (生前贈与による特別受益持ち戻しを免除する)

 

 遺言者は、これまで長男○○○○、長女○○○○、次女○○○○にした生前贈与による特別受益持ち戻しについては、これをすべてを免除します。 

 

文例23 (住宅資金贈与による特別受益持ち戻しを免除する)

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に、昭和△△年△月に住宅資金として援助した○百万円については、相続財産の算定に当たっては、長男の家計の状況を考慮し、持ち戻しを免除します。

 

文例24 (家計の状況を考慮し「遺言による遺贈」について持ち戻しを免除する)

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に対して現金○百万円を相続させる。

 遺言者は、遺言者の相続に関し、相続財産の算定に当たっては、長男の家計の状況を考慮し、前条記載の遺贈については持ち戻しを免除します。

 

 

*「特別受益の持ち戻し免除」の遺言をするときは、付言事項にその特別受益をあげた意味を書き加えることで利害の反する相続人も納得し、円満な相続につながることがが期待できます。 

 

 

(2)特別受益の持ち戻しをするようにとの指示」

 

文例25 (特別受益として遺産に加えることを明確にする指示)

 

 遺言者は、これまでに長女○○○○(昭和△△年△月△日生)の婚姻に際して、○百万円を援助しているので、この金額を民法第903条による持ち戻し計算をするものとします。

 

 

(3)「遺贈による特別受益の持ち戻しの免除」

 

文例26 (複数の相続人に「遺言による遺贈」について持ち戻しを免除する)

 

 長男○○○○、長女○○○○、次女○○○○にした前〇条の遺贈による特別受益持ち戻しについては、これをすべてを免除する。 

 

文例27 (1人の相続人に家計の状況を考慮し「遺言による遺贈」について持ち戻しを免除する)

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に対して現金○百万円を相続させる。 

 遺言者は、遺言者の相続に関し、この相続はその余の遺産分割には影響を与えないものとする。

 

文例27-2

 遺言者は、次女○○○○に与えた金〇〇万円の生前贈与ついては、

持ち戻しを免除します。 

付言

 次女○○○○に与えた生前贈与ついて持ち戻しを免除するのは、その経済状態を考慮してのことです。長男〇〇〇〇、長女〇〇〇〇は父の思いを理解し遺留分減殺請求をしないことを望みます。

 

 

□ 遺留分減殺

 

文例28 (遺言で遺留分減殺先を指定する)1

 

 遺言者は、遺留分減殺請求があったときは、まず、○○○○に相続させる財産から減殺すべきものと定める。

 

文例29 (遺言で遺留分減殺先を指定する)2

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)から遺留分の減殺請求があり、それを支払うべきときには、長女○○○○(昭和△△年△月△日生)の財産の中から遺留分相当額を支払うべきものとあらかじめ指示する。

 

文例30 (遺言で遺留分減殺先を指定するとともに、特定の者に免除する)

 

 遺言者は、○○○○から遺留分減殺請求があったときは、○○○○に相続させる財産についてのみ減殺し、○○○○に相続させる財産については減殺しないことと定める。

 

文例31 (遺言で遺留分減殺先を指定し、特定の者に免除する)  

 

 遺言者は、その所有する不動産を妻○○○○(昭和△△年△月△日生)、その余の財産を長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に相続させる。長女○○○○(昭和△△年△△月△日生)又は次女〇〇〇〇(昭和△△年△△月△日生)から遺留分減殺請求があったときは、長男が相続すべき財産についてだけ減殺するものとする。

 

文例32 (遺言で遺留分減殺先、減殺すべき財産の順序を指定する)

 

 遺言者は、遺留分減殺請求があったときは、○○○○に相続させる財産から減殺することとし、まず不動産以外の財産から減殺すべきものと定める。 

 

 

□ 遺産分割における瑕疵担保責任に関する別段の意思表示

 ■ 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、その相続分に応じて瑕疵担保責任を負うが、遺言により、この内容や責任の範囲を変更することができる。

 

 

文例33 (遺産分割で取得した財産について、数量が不足し、または破損等がある場合にその負担先を指定し、特定の者に免除する)

  

 遺産分割で取得した財産について、数量が不足し、または破損等がある場合には、その瑕疵担保責任は長男○○○○(昭和△△年△月△日生)の負担とし、妻 ○○○○(昭和△△年△月△日生)及び長女○○○○(昭和△△年△月△日生)、次女○○○○(昭和△△年△月△日生)の負担を全て免除する。

 

文例34 (遺産分割において、貸与した金銭の支払債務を全て免除する指示)

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)、長女○○○○(昭和△△年△月△日生)、次女○○○○(昭和△△年△月△日生)に貸与した金銭の支払債務を全て免除する。 

 

□ 負担

 

文例35 (相続させる資産と負債の負担割合を定める)

 

 遺言者は、所有する金融資産を次のとおり、相続させる。

  妻 ○○○○(昭和△△年△月△日生)10分の6

  長男○○○○(昭和△△年△月△日生)10分の2

  長女○○○○(昭和△△年△月△日生)10分の2

 

 遺言者の負債は前条の割合で負担するものとする。

 

文例36 (相続をすることの負担として、債務の承継について定める) 

 

 長男○○○○(昭和△△年△月△日生)は、相続をすることの負担として、遺言者が相続開始時に負担する債務を全て支払わなければならない。

 

文例37 (ローンの残っている不動産を相続をすることの負担として住宅ローンの残債務の承継について定める) 1

 

 長男○○○○は、相続をすることの負担として、前条の不動産に設定された抵当権の被担保債権である住宅ローンの残債務を全て支払わなければならない。

 

文例38 (ローンの残っている不動産を相続をすることの負担として住宅ローンの残債務の承継について定める)2

 

 妻○○○○は、前条の相続をすることの負担として、前条の不動産に設定された抵当権の被担保債権である住宅ローンの残債務全額を支払うこと。

 債権者の請求等により、妻〇〇〇〇以外の相続人が前条の債務を支払ったときは、妻○○○○はその相続人に対して速やかに支払額を補填すること。

 

文例39 (ローンの残っている車を譲る場合、債務の承継について定める)  

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)に次の財産を相続させる。

 1.自家用車(登録番号、車種、形式を記載)

 2.上記物件購入のため○○○○から借り入れた未払いローン

 

 

□ 遺贈 

 

文例40 ( 財産を内縁の妻に遺贈する「包括遺贈」)

 

 遺言者は、その所有する財産全てを遺言者の内縁の妻である〇〇市○○区△丁目△番△号居住、○○○○(昭和△△年△月△日生)に遺贈する。

 

* 財産を譲る場合、相続人に対しては「相続させる」とし、それ以外の方に対するものは「遺贈する」と表現します。

* 遺言執行者の指定も検討します。

 

文例41 ( 財産を内縁の妻に遺贈する「特定遺贈」)

 

 遺言者は、遺言者名義の〇〇株式会社株式〇〇万株(〇〇証券〇〇支店に預託)を遺言者の内縁の妻○○○○(本籍、住所、昭和△△年△月△日生)に遺贈する。

 

* 遺言執行者の指定も検討します。

  

文例42 (廃業した時は効力を失う「解除条件付遺贈」) 

 

 遺言者は、○○○○(昭和△△年△△月△日生)に金△△万円を遺贈する。受遺者が〇〇を廃業した時は、前記遺贈は効力を失う。

 

文例43 (妻の身辺の世話をさせる「負担付遺贈」)

 

 長男○○○○はこの財産を相続することの負担として、遺言者の妻○○○○(昭和△△年△△月△日生)の生存中はその生活費、医療費等を負担し、身辺の世話をすること。

 

文例44 (飼犬を飼育させる「負担付遺贈」)

 

 遺言者は、○○○○(昭和△△年△△月△日生)に金△△万円を遺贈する。受遺者はこの遺贈を受けることの負担として遺言者の飼犬〇〇を引き取り、死ぬまで飼育し、死後は埋葬すること。

 

文例45 (福祉関係の団体へ寄付をする「負担付遺贈」) 

 

 遺言者は、遺言者の相続開始時に有する後記(不動産の表示)記載の各不動産を、後記(受遺者の表示)記載の法人に遺贈する。

(不動産の表示) 

(1)土地         

   所在地   〇〇市〇〇

   地番    △△△番地△

   地目    宅地

   面積    △△△.△△平方メートル 

(2)建物

   所在地    〇〇市〇〇

   家屋番号   △△番△

   構造     木造瓦葺二階建

   床面積    一階 △△.△△平方メートル

          二階 △△.△△平方メートル

(受遺者の表示)

  名 称       社会福祉法人〇〇〇〇

  主たる事務所所在地 ○○県〇〇市〇〇△△△番地

 

 前条による受遺者は、この遺贈を受けることの負担として、この財産を処分し、残った対価を福祉関係に使用してください。

 

文例45-2 (孫に財産を「遺贈」し、親に管理させない遺言)

 

 孫・〇〇〇〇(平成△△年△月△日生)に次の預金債権を遺贈します。 

 

 〇〇銀行〇〇支店に対する遺言者名義の定期預金(口座番号〇〇〇〇)のうち△△△万円)

 

 ただし、孫〇〇〇〇の両親にこれを管理させないこととし、その管理者として次の者を指定します。 

 

  住  所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号

  氏  名 ○○○○

  生年月日 ○○年○月○日

 

 

□ 認知

 

文例46  (遺言で認知する)

 

 遺言者は、○○○○(○○年○月○日生)との間に生れた下記の子を自分の子として認知する。

  住  所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号

  氏  名 ○○○○

  生年月日 ○○年○月○日

  本  籍 ○○県○○市○○町○丁目○番○号

  戸籍筆頭者 ○○○○

 

※ 遺言執行者の指定も検討する。

 

 

□ 未成年後見人の指定

 

文例47 (遺言で未成年後見人を指定する)

 

 遺言者は、未成年者である長女○○○○(昭和△△年△月△日生)の未成年後見人として次の者を指定する。

           (次の者 略)

 

 

□ 祭祀承継者の指定

  

文例48 (遺言で祭祀承継者を指定する) 

 

 遺言者は、祭祀承継者として、長男の○○○○(昭和△△年△月△日生)を指定する。祭祀にかかる費用として、遺言者名義のCD銀行〇〇支店定期預金 口座番号△△△△△の預金全額と利息全額を、祭祀承継者長男○○○○に相続させる。

  

 

□ 債務の支払い者の指定

 

文例49 (葬儀及び埋葬費用等支払い者を指定する)

 

 遺言者は、遺言者の有する現金及び預貯金から、遺言者の葬儀及び埋葬費用及び、医療費等の債務、日常家事債務等一切の債務を支払うべきものとあらかじめ指示する。

 

文例50 (負債の支払い者を指定する) 

 

 遺言者の負債は、妻の○○○○と長男○○○○が各2分の1の割合で相続し支払うべきものとあらかじめ指示する。

 

 

□ 相続税の負担者の指定

 

文例51 (相続税の負担者を指定する) 

 

 相続若しくは代襲相続する者は、その相続に係る財産をもってそれぞれに課せられる相続税を支払うべきものとあらかじめ指示する。

 

 

□ 保険金受取人の変更 

 

文例52  (遺言で生命保険金の受取人を変更する)

 

 遺言者は、〇〇生命保険株式会社との下記の生命保険契約の生命保険金の受取人を〇〇〇〇(〇〇市○○区△丁目△番△号居住、昭和△△年△月△日生)に変更する。

 ただし、本遺言の効力が発生したときに、新受取人〇〇〇〇が既に死亡していたときは、保険金受取人を〇〇〇〇に変更する。

 

                記

 

1.保険証券番号 〇〇〇〇〇〇〇

2.契約締結日  △△年△月△日

3.種類     〇〇生命保険

4.保険期間   △△年

5.保険金額   △△△万円

6.保険者    〇〇〇〇

7.契約者    〇〇〇〇

8.被保険者   〇〇〇〇

 

 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、長男の○○○○(昭和△△年△月△日生)を指定する。ただし、本遺言の効力が発生したときに長男の○○○○が既に死亡していたときは、本遺言の遺言執行者を次男の○○○○に変更する。

 遺言執行者は、遺言者の死亡後、〇〇生命保険株式会社に対し、速やかに保険金受取人変更の通知をすること。 

 

 

□ 遺言執行者の指定

 

文例53  (遺言執行者として相続人を指定する)

 

 遺言者は、本遺言の遺言執行者として長男の○○○○(昭和△△年△月△日生)を指定する。

2 遺言者は、遺言執行者に対し、次の権限を授与する。

① 遺言者名義の不動産、預貯金の名義変更、解約及び払い戻し

② 貸金庫の開扉と内容物の受領

③ その他この遺言の執行に必要な一切の処分を行うこと

3 遺言執行者は、その権限を第三者に委任することができる。

 

文例54  (遺言執行者として専門家を指定する)

 

 遺言者は、次の者を遺言執行者に指定する。

 (氏 名)

 (生年月日)

 (住所・職業)*法定の記載事項ではありませんが書いておくと便利です。

2 遺言執行者の報酬の額を〇〇〇円と定める。(遺言執行者の報酬を遺産総額の〇パーセントと定める。)

3 相続人は、相続の開始と同時に直ちに同氏に連絡すること。

 

 

□ 遺言の取消(撤回)、変更

 

文例55 (以前に作成した遺言を全部取り消し改めて遺言する) 

 

 遺言者は、平成〇〇年〇〇月〇〇日以前に作成した遺言を全部撤回し、改めて次条文以下のとおり遺言する。(「以下」省略)

 

文例56 (遺言の一部を撤回し変更する遺言) 

 

 遺言者は、平成〇〇年〇〇月〇〇日付けで作成した遺言の第〇条全文を撤回し、次のように変更する。変更しない部分は全て原遺言のとおりとする。(次のよう 略)

 

文例57 (秘密証書遺言の特定条項を変更する遺言)

 

 遺言者は、平成〇〇年〇〇月〇〇日付けで作成した秘密証書遺言の第〇条全文を撤回し、次のように変更する。変更しない部分は全て原遺言のとおりとする。(次のよう 略)

 

文例58 (公正証書遺言の特定条項を変更する遺言)

 

 遺言者は、平成〇〇年〇〇月〇〇日付けで作成した公正証書遺言の第〇条全文を撤回し、次のように変更する。変更しない部分は全て原遺言のとおりとする。(次のよう 略) 

 

 

文例59 (死因贈与の撤回(取消し)をする遺言)

 

 遺言者は、平成〇〇年〇〇月〇〇日付けで書面によってした死因贈与契約を撤回する。

 

 

□ 渉外遺言での準拠法の指定

 

文例60  (渉外遺言での準拠法の指定をする遺言)

 

 遺言者は、遺言者の相続の準拠法として常居所地法である日本法を指定する。

 

 

□ 付言事項

 

文例61 (遺言で遺留分を放棄させるときの「付言事項」)

 

 遺言者は、長男○○○○(昭和△△年△月△日生)、長女○○○○(昭和△△年△月△日生)、次女○○○○(昭和△△年△月△日生)には、父の思いをくみ取って、遺留分を放棄してくれることを望みます。

 私は、妻〇〇〇〇が平穏な生活をおくることできるようこの遺言をしました。長男〇〇〇〇、長女〇〇〇〇、次女〇〇〇〇は、妻の生活状況を考え行ったこの遺言を理解してください。


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