「遺留分減殺請求(取り戻し請求)」について

□ 遺留分減殺請求する場合は、内容証明郵便で侵害している相手に遺留分の「減殺の意思表示」を行い話し合いをします。遺留分減殺請求はその結果により、検討します。

 

□ 遺留分をどの財産から支払うかという順序は、遺贈→死因贈与→生前贈与の順に減殺します。 

① まず、「遺贈」から減殺されます。

 遺贈が複数あるときは、全部の遺贈がその価格の割合に応じて減殺されます。 

※ ただし、遺言でこれを変更することができます。

② それでも遺留分額に達しないときは「生前贈与」が減殺されます。  

 「生前贈与」が数個あれば新しいものから古いものへ順次減殺されます。同じ日になされたものは、按分します(契約日を基準とします)。

※ 死因贈与は贈与として扱います。


行政書士は街の身近な法律家

埼玉県行政書士会所属

行政書士渡辺事務所

行政書士・渡邉文雄

 

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ポイント関連情報

1. 遺留分減殺請求権とは

 

□ 「遺留分の減殺」とは、遺留分を侵害してなされた遺贈や相続、生前贈与等の効力を取り消して相続財産を取り戻すことです。 この遺留分侵害の回復を請求する相続人の権利を「遺留分減殺請求権」といいます。

□ 亡くなった人が遺贈や生前贈与等を多くあげすぎたため、ある相続人が遺産から受ける利益の価額が遺留分額を下まわる場合は、その差額を限度として「遺留分減殺請求権」を行使できます。

 

 

2. 遺留分減殺請求権の法的性質

 

□ 遺留分減殺請求権は形成的効力を有し、行使すると、その一方的な意思表示だけで遺留分を侵害する遺贈又は贈与等を失効させる法的効力があります。

 

□ 裁判外でも行使できる強力な権利なので、遺留分を侵害しないようよく調べてから遺言書を書く必要があります。なお、あえて遺留分を侵害する遺言をする場合には、対策をよく検討し、遺言することが必要です。

 

 

3. 遺留分の計算の仕方(侵害された額の計算)

 

 》遺留分のページ を参照してください。

 

 

4. 遺留分減殺請求の相手方

 

□ 利益を受けた相続人(受遺者)、受贈者、又は遺言執行者です。遺留分を侵害することを知っていながら譲り受けた人(悪意の譲受人)にも請求できます。

 

 

5. 共同相続人間での遺留分減殺請求における注意点

 

□ 自己の「遺留分を超える」生前贈与、遺贈を受けた人に対し請求します。 

※ 自己の「法定相続分を超える」贈与、遺贈を受けた人の意ではありませんので注意が必要です。また、自己の遺留分を超える部分のみが対象となります。

 

 

6. 遺留分減殺の順序

 

□ 遺留分をどの財産から支払うかという順序は、遺贈→死因贈与→生前贈与の順に減殺します。 

① まず、「遺贈」から減殺されます。遺贈が複数あるときは、全部の遺贈がその価格の割合に応じて減殺されます。 

※ ただし、遺言でこれを変更することができ、遺言により遺贈の減殺の割合を加重、軽減、排除したときはそれに従います。 

② それでも遺留分額に達しないときは「生前贈与」が減殺されます。  

□ 「生前贈与」が数個あれば新しいものから古いものへ順次減殺されます。

□ 同じ日になされたものは、按分します。契約日を基準とします。

※ 死因贈与は贈与として扱います。

 

※ 価格による弁償

 特定の財産を返す代わりに、お金で支払うことができます。(民法1041条) 価格算定の基準時は、現実に弁償がなされるときです。

 

 

7. 遺留分減殺請求の方法

 

□ 侵害している相手(受遺者、受贈者、遺言執行者、悪意の譲受人)に、遺留分の減殺請求の意思表示をし、その意思表示が相手方に到達した時点で権利が請求者に戻ります。

 口頭等で行ってもその法的効果は有効ですが、請求期限内に意思表示をしたことの証明のため、内容証明郵便・配達証明郵便で行うことをおすすめします

 

※ 内容証明は、いつ、どのような内容の文章を、だれが、だれに差し出したかを証明する制度です。

 

 

8. 遺留分減殺請求権は、短期消滅時効(1年)です

 

□ 相続開始及び遺留分侵害の事実(減殺請求すべき贈与又は遺贈があったこと)を知ってから1年以内に、侵害者に対し、請求しなければなりません。内容証明郵便・配達証明郵便で行うことをおすすめします。

 

□ 贈与又は遺贈のあった事実を知るだけでは、この時点から計算を始めることはできません。遺留分を侵害するという事実を知った時から起算されます。

 

□ 相続開始の時(亡くなったとき)から10年(除斥期間)を経過したときは、遺留分減殺請求権は消滅します。

 

 

9. 価格弁償

 

□ 特定物について遺留分減殺請求がなされた場合には、現物返還によって不利益を被ることを避けるため、価格弁償をして現物の返還を免れる対抗措置があります。


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